「整形手術をする必要のない人もいますし、手術を受けてはいけない人もいます。これを適用といいます。例えば、胸が大きい人に豊胸手術はしないし、鼻が高い人にさらに鼻を高くする手術はしません。“この手術をこの人にしたら、綺麗になるな”というのがあるんですが、それを本人がわかっていないことが多い。人の美的センスはそれぞれで、本人はそれがいいと思っている。そのあたりがマッチングしないとダメなんです。
でも、『それはおかしいよ』『違うよ』と言うと、ほかの病院に行ってしまったりして、言うことを聞かない人が多い。ヴァニラさんも、僕とマッチングが合わない患者さんのひとりです(笑)。『もう、やめたほうがいいよ』と言っても、『ここを短くしたいから切りたい』とかね。『傷残ってもいいの?』と言っても、聞かないですからね。でも、ほかでやるくらいならやりましょうかということで、僕が手術したこともあります。
最近は美容整形に対するイメージもずいぶん変わりました。いまだにハードルがあるとすれば、お金ですよね。手術料金は確かに高いですから。でも、料金を安くすると患者さんが殺到してしまい、とても対応できなくなるので、そこが痛し痒しといったところかもしれません。それでも、来院者数は対前年度比で2倍くらいになっている。この1年くらいで急激に増えてきているのが現状です」(同)
涙を流して喜ぶ患者
なぜ患者数が急増しているのか。麻生院長はSNSの影響が大きいと指摘する。
「ヴァニラさんのようにコンプレックスから来院する患者さんより、“周りがやっているから”という理由で来院する患者さんが増えているんです。例えばキャバクラで売上ナンバーワンの女性が整形して、それをSNSとかにアップする。それを見て私どものところに来るというパターンです。それで増えているのではないかと、思っています。アイドルや芸能人の誰々みたいになりたいとかではなくて、身の回りにいる普通の女の子たちの影響が大きくなっているのだと思います」(同)