青汁王子が淋病に感染し話題に…男性のほうが症状重く、放置すると不妊の原因にも

　話題の尽きない青汁王子こと三崎優太氏が、今度は「淋病」に罹っていることをSNSで告白し、話題を読んでいる。三崎氏のTwitterには、淋病について揶揄するようなコメントも多く、さらに拡散される結果となった。三崎氏は「軽い気持ちでツイートしたら、あれだけネットニュースになり、一夜にしてデジタルタトゥーが刻まれた。Twitterは本当に恐ろしいところです」と呟いている。

　三崎氏は、すでに治療を受け、回復しているようだが、淋病の治療には注意すべき点がある。池袋消化器内科・泌尿器科クリニック理事長の伊勢呂哲也医師に、淋病について話を聞いた。

「淋病・淋菌感染は、クラミジア感染症の次に多い性感染症です。10〜20代の若い世代に多くみられるのですが、30代以上の世代にも蔓延しています。淋病はクラミジアに比べ、排尿時の痛みや分泌物など症状が強く現れるため、非常に驚いて受診されます」（伊勢呂医師）

　女性に比べ男性のほうが症状が重い傾向にあり、排尿時の強い痛みと透明もしくは黄白色の膿が尿道から出るという症状が特徴的だが、ほかにも気をつけるべき症状があるという。

「排尿痛や尿道からの膿という特徴的な症状にとどまらず、淋菌に感染したことによって睾丸が腫れて痛む人もいます。精巣上体炎を引き起こし、放置していると男性不妊につながります。女性の場合は症状がない場合も多いのですが、感染に気づかずに放置すると子宮頸管炎を引き起こして不妊につながるケースもあります。妊娠している女性が淋菌に感染すると、早産や流産を引き起こす恐れがあります。また、出産時には産道から赤ちゃんに淋病が感染し、最悪の場合、死に至ることもあります。このように淋菌の感染には、さまざまなリスクがあるため、パートナーと一緒に治療することが大切です」（同）

　感染から発症までの流れは、どのようなものか。

「淋病の潜伏期間は性行為後2〜7日といわれますが、2週間ほどのケースもあります。潜伏期間後に排尿時などの特徴的な症状が現れる人が多いのですが、なかには無症状で感染に気づかない人もいます。最近では、男女ともにオーラルセックスによって咽頭に淋菌が感染して炎症を引き起こす、咽頭淋菌も増加しています。淋菌は粘膜感染で、1回の性行為で感染する確率は30％といわれます。予防にはコンドームが有効ですが、オーラルセックスは粘膜の接触となるため、感染リスクは非常に高いことを多くの方に知ってほしいと思います」（同）

　診断は性器、尿道からの分泌物や口腔などから粘膜を採取し、病原体を分離培養、あるいは核酸検査（PCR）によって行われ、判定まで3～4日を要する。淋菌抗原（定性） 検査では、15分程度で判定できる。

　淋病の治療はどのように行われるのか。

「淋菌感染に対しては、スペクチノマイシンの筋肉注射を臀部に打ちます。喉の淋菌感染の場合には、セフトリアキソンの点滴を行います」（同）

　三崎氏も「治療のため、お尻に謎の液体を注射される。めちゃくちゃ痛い。涙が出た。カタールにきて何してるんだろうと嘆いた。もう性病はこりごり」と、カタールで注射を臀部に受けたことをツイートしている。

　三崎氏は、恒例となっているホスト企画が間近であり、さらにYouTuberのヒカルが主導する格闘技イベント「バトルミリオネア」への参戦も決定している。淋病に関するツイートは話題づくりではないかとみる向きもあるが、いずれにせよ淋病の治療はしっかりと行ってほしい。

「淋病の治療後に陰性が確認されるまで性行為は控えたほうがいいでしょう。また、淋菌には耐性菌と呼ばれる通常の抗生剤が効かない菌もいますので、治療をした後も検査をして陰性の確認をすることが重要になります」（伊勢呂医師）

　性感染症は、自己防衛できるものである。不特定多数の人との性行為は控えるべきだろう。

「淋病は放置しておくと男性不妊を招くリスクがありますので、疑わしい症状があった場合やパートナーの感染を知った時など、本人に自覚症状がなくとも心当たりのある方は一度泌尿器科へ受診してほしいと思います」（同）

　近年、若者を中心に梅毒や淋病などの性病が広がっている。新型コロナウイルスのみならず、性病への感染も意識した生活を心がけていただきたい。

（文＝吉澤恵理／薬剤師、医療ジャーナリスト）