相手の心を読むことのメリットは大きい。思い通りに相手の信用を得たり、好かれたり、聞きたい情報を聞き出したり、隠し事を打ち明けさせたりすることができたら、それは仕事でも恋愛などのプライベートの人間関係でも大きな武器になるに違いない。
そして、それには「巧みな話術」や「相手の関心を惹きつけるカリスマ性」は必要ないのだ。必要なのはちょっとした知識とコツである。
自分の思考や行動を封じる
相手の信用を得るのも、隠していた秘密を自ら話させるのも、必要なのは「話す」「説得する」といったこちらからの働きかけよりも、相手の話を「聞く」こと。そして聞くことには特別な才能は必要ない。傾聴は誰にでもでき、しかも得るものの多いスキルなのだ。
『悪魔の傾聴 会話も人間関係も思いのままに操る』(中村淳彦著、飛鳥新社刊)は、この傾聴のもつ恐るべき力と、その身につけ方に注目する。特別な才能がなくても、口下手でも、恥ずかしがりでも、傾聴を身につけることはできる。
悪魔の傾聴は、相手に対して「~をしない」不作為の技術が中心です。
自分の話をしない。
相手の話を否定しない。
自分の意見を言わない。
アドバイスしない。(P8より)
何かをするのではなく、むしろ自分の思考や行動を意識して封じることこそ傾聴では大切。だからこそ、特別な才能を必要としない。むしろ一般的に言われる「コミュニケーション力」と傾聴は全く別物だ。
否定しない。比較しない。自分の話をしない
傾聴は、基本的に自分を「聞き手」の立場に置くもの。「インタビュアー」になったつもりで行うといいかもしれない。となると、NGなことも自ずと見えてくる。「否定しない。比較しない。自分の話をしない」という、傾聴の基本的なスキルをここでは紹介したが、これはまだ「悪魔の傾聴」の入り口の入り口にすぎない。本書では、もっと悪魔的に、もっと相手の心を惹きつける傾聴のテクニックが数多く紹介されている。
会話上手な人、魅力的な人は必ず知っているこれらのスキル。身につければ様々な場面で役立つはずだ。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。