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広がる卵子凍結ビジネス最前線 具体的方法と経済的・肉体的負担、利用者の特性は?

文=編集部
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広がる卵子凍結ビジネス最前線 具体的方法と経済的・肉体的負担、利用者の特性は?の画像1リプロサポートメディカルリサーチセンター代表の桑山正成氏(「同社HP」より)
 米アップルとフェイスブックが、従業員の福利厚生として卵子凍結の資金補助を行うことを発表した。補助額は2社ともに最大で2万ドル(約210万円)。女性にとって「キャリアを取るか、出産を取るか」は重大な悩みだが、「キャリアを築いてから出産」を後押しすることで、優秀な人材を確保しようという狙いだ。

 卵子凍結は、女性が妊娠しやすい年齢のうちに卵子を採取し、冷凍保存。結婚や仕事など、出産が可能な時期になったら解凍し、体外授精、妊娠へという技術である。無事に妊娠に至る可能性は10%ほどといわれるが、妊娠適齢期を迎えるキャリア指向の女性にとっては、素通りし難いテーマである。

 ただ、人間が自由に妊娠の時期をコントロールすることには、倫理的な議論があり、日本では法的に否定も肯定もされていない。それでも、ニーズの高まりに押されるようにして2013年11月、日本生殖医学会は卵子の凍結保存に関するガイドラインを改定した。それまでは不妊治療をする夫婦や、がんなど病気で卵子に影響を受ける恐れのある女性に限定していた卵子の凍結保存を、健康な独身女性にも解禁したのだ。

 卵子や卵巣組織、精子の凍結保存などによる卵子の老化対策を研究する「リプロサポートメディカルリサーチセンター」は、東京都内で卵子凍結の技術開発や情報提供を行う。代表の桑山正成氏(生殖工学博士)は、卵子凍結のパイオニアである。1999年に世界で初めてヒト卵子の凍結保存の実用化に成功して以来、がん治療で不妊になる女性を中心に卵子凍結を行ってきた。海外への技術提供にも積極的で、「55カ国で6万人の女性が、卵子凍結で赤ちゃんを産みました」と語る。

 世間にある反対意見に対しては、次のように疑問を投げかける。

「12年前、当時16歳の若さでがんに侵された少女と出会いました。そのまま治療を続ければ、命は助かっても不妊になる可能性が高い。私たちは2つの卵子を採取し、将来のために凍結保存しました。その後、彼女は見事に回復して、今年、28歳で結婚。凍結していた卵子の1つを子宮に戻して、無事に妊娠・出産をしました。うれしかったですね。こうして女性が自分の将来のために細胞の一部を凍結保存しておくことを、いったい誰に止める権利あるというのか」(桑山氏)

BusinessJournal編集部

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