全国の主要家電量販店やネットショップから、実売データを収集・集計した「BCNランキング」で、強さを見せているのがNECのLAVIE Note StandardというノートPCだ。
例えば2019年7月の月次集計データによれば、10万円以下のノートPCランキングで、LAVIEの型違いや色違いの商品が、1位、2位、3位、7位、9位に入り、上位を独占する結果となっている。
LAVIEはWindowsユーザーから使い勝手もコスパも良いと判断されているのだろうか。そこで今回は、ノートPC事情に詳しいビジネス書作家・戸田覚氏に、ノートPC市場の現況や、LAVIEが勢いを増している理由について解説してもらった。
同価格帯のノートPCに大きな性能的な差はない
戸田氏によれば、LAVIEについて語る前に、LAVIEが上位を占めたBCNランキングを読み解かなければならないという。
「このBCNランキングというのは、主に店頭で販売されている商品を集計したものです。BCNは、どこでどのようにデータを取ったのかという詳しい情報までは出していませんが、説明されているところによれば、例えばレノボの公式サイトで直接販売されているノートPCなどは、数に入っていないはずです。また、商社が、どこかの企業にまとめて納品した製品も、カウントされていないでしょう。実際、業務用ノートPCのシェアや販売台数をトータルで把握するのは難しいのが実情です。
ですからこのBCNランキングが、10万円以下で売られているすべてのノートPCの売れ行きを示しているものではありません。このランキングでは、ヤマダ電機やヨドバシカメラ、コジマなどの店頭で買われているものの比重が高くなっているので、あくまでも主に家電量販店で何が売れているのか、というデータだと理解するべきでしょう。
ITに詳しい人や若い人は、メーカーの公式サイトから直販で買ってしまうことも多いので、家電量販店でPCを買う人というのは、昔からノートPCを使っているという年齢層の高い方や、それほどITに詳しくない方が多いと推察できます。そして、そういったユーザーはコンサバな考え方を持っていることが多いものです。それゆえ、スタンダードなモデルや値段の割安なモデルが人気になる傾向があり、それがLAVIEのランキング上位独占という結果につながっていると、私は分析しています」(戸田氏)