以上のような理由から、多くの人が格安SIMを選ばないのではないかと予想される。そして、大手キャリアはTポイントやdポイントといったポイントプログラムのみならず、クレジットカードや電気事業、保険や動画など幅広くサービスを展開することで、ユーザーの囲い込みを行っている。これでは、いくら「安くなる」と宣伝されても、乗り換えるモチベーションは高くなりづらい。
このように、はやりづらい状況にある格安SIMだが、大手キャリアに比べて約3分の1の価格でスマホが使えるようになるのは事実。月に5000円安くできたとすると1年で6万円、5年で30万円の差になる。格安SIMをうまく使って賢いスマホライフを送りたいものだが、多くの企業が参入し有象無象の状態。一体、どのような目線で優良サービスを選べば良いのか。
格安SIM選びの極意は「音声通話の充実」と「サポート体制」
これまでの格安SIMといえば、データ通信がメイン。音声通話はサブ的な存在で、格安SIMで音声通話をよく利用すると大手キャリアよりも割高になることも多かった。
このような「データ通信=メイン、音声通話=サブ」という状況に風穴を開けたのが、楽天モバイルだ。今年1月28日から「5分かけ放題オプション」を開始し、大手キャリアと遜色ないクオリティの音声通話を提供。このプランによって格安SIM業界のなかでは頭ひとつ抜けた存在であり、音声通話もたくさん利用したいという人には良い知らせになっている。
また、格安SIMを選ぶときに注意しないといけないのが、サポート体制の充実度だ。多くの駅前に店舗を構えている大手キャリアと違い、格安SIMは店舗を用意していないサービスが多い。つまり、何かしらのアクシデントが発生したときには、ある程度自分自身で問題を解決する必要がある。もしも連絡手段が格安SIMを挿したスマホしかなかった場合、その問題解決すらできない可能性もある。
やはり、万が一のアクシデントに備えて、サポート体制が充実したサービスを選択したほうが賢明だろう。
格安SIMのなかでサポート体制が優れているのは「IIJmio」である。 Twitter上でユーザーからの質問に答えるなど、かゆいところに手が届くサポート体制を敷いている。また、IIJmioとビックカメラが提携した「BIC SIM」なら、ビックカメラに窓口が設けられているので、困ったことがあれば駆け込めばいい。