(2)友だち募集掲示板を選ぶ
友だち募集掲示板に投稿したIDがLINEに検知されないためには、どうすればいいのだろうか? 手っ取り早いのは、IDを画像として投稿してくれる掲示板を利用することだ。クローラーと呼ばれる掲示板サイトを巡回してLINE IDがあるかどうか調べるツールは、文字列のみを対象としているから、画像には無反応であるため、規制を回避できる。また、LINE IDをQRコード化したものを掲示板に貼りつけても、同様に、文字列でIDを検出できないので、現状では規制対象にはなっていない。
文字列としてIDが検出できないため、規制対象とはならない。
女性からの友だち募集書き込みもされている。
これらの回避策をもってすれば、まだまだLINEを出会い系として使うことができてしまうのが実情だ。
●LINEユーザーは結婚願望強いのか?
また、LINEを使うユーザー層の特性にも、出会い目的のユーザーが減らない理由が隠れているのかもしれない。
ニフティが実施した新成人への調査(http://www.nifty.co.jp/cs/newsrelease/detail/130111004211/1.htm)によれば、「LINE」を使っているユーザーのうち、恋人がいないユーザーは57.6%にとどまっており、Twitterユーザーよりも少ないが、将来結婚したいと思っている女性の割合は95.5%と、他のSNSユーザーより高かった。
なぜこうした傾向になるのだろうか?
LINEの独特なスタンプやUIを持つ連携アプリの存在は、同性・異性を問わずコミュニケーションをより活発にしてくれる効果がある。恋人がいて、将来結婚したいと思っている女性には、ネットナンパされるのを嫌って他のコミュニケーションツールを使うのは避けているが、知名度もあり、同性の友だちとも楽しくコミュニケーションできるLINEだけは使っているという人が多いのではないだろうか。
一方で、恋人と結婚したいと思っている女性が、同性と楽しくコミュニケーションしつつ、LINEを使って他の異性とも、もっと親密になりたいと思っている可能性も高いかもしれない。ニフティの調査結果は20歳の女性を対象にしたものであり、20歳前後の女性が対象となった事件の報道は見かけないが、水面下で多数の出会いが芽生えている可能性は高いだろう。
以上のような特性のため、出会いを求める女性を餌食にしようとする男性ユーザーが減らないのかもしれない。
(文=久我吉史)