オプション強制が問題になって以降、ショップが強引にオプション加入を求めるケースは減ったが、キャリアと販売代理店が結託し、利用者に各種のオプションサービスを勧めてくる構図はなんら変わっていない。
たとえば、大手3社が昨年そろって売り出したのが、光ブロードバンドサービスとのいわゆる“セット割”で、KDDIとソフトバンクは電力小売り自由化に伴い、それぞれ家庭向け電力サービスを開始した。これらのオプションに加入させるために、店頭に専門スタッフまで常駐させているキャリアもある。
「国内の携帯電話・PHSの普及率は16年3月末現在で126.3%(総務省統計)、スマホの普及率は70.7%(博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所「メディア定点調査2016」)と、今や国民のほとんどが携帯やスマホを持っています。大手キャリアも回線契約だけで儲け続けるのは難しく、となればオプションに力を入れるしかありません。今後、この傾向はますます強くなっていくと思われます」(新田氏)
目安は月額8000円、無駄なオプションの見極め法
具体的に、無駄なオプション加入による出費を避けるにはどうすればいいのか。新田氏は「まず、携帯電話料金の内訳を理解する必要があります」と語る。
携帯電話料金は、基本的に「基本料」「ISP接続料」「データ通信量」の3つの料金の積み上げによって決まる。料金の目安は、それぞれ基本料2700円、ISP接続料300円、データ通信料5000円(5G)の計8000円(税別)。
新田氏によると、この3つ以外の有料オプションは「ほとんどの利用者にとって、すべて不要」だという。
「携帯電話料金について相談を受けると、料金明細を見ながら『これはいりますか?』と契約しているオプションを一つひとつ確認していくのですが、そうやって確認すると『お金を払ってまで必要なものではない』となるケースがほとんどです。
利用者本人が自覚して加入しているオプションなら別ですが、これから新規契約するなら、月額8000円を大幅に超えるプランを店員に勧められたら『あやしい』と思ってください」(同)
問題は、すでにオプションに加入してしまっているケースだ。大手3社のオプションの解約方法は複雑で、たとえばドコモには「My docomo」と「dメニュー」からしか解約できないオプションもある。その場合、一番確実なのは、ショップに行くか電話することだという。