「Twitterが四半期決算で初めて黒字を計上した」
株価の暴落が続く米ウォール街を駆け巡った、一筋の明るいニュースだった。短文投稿サービスTwitterは、米国時間2月8日に2017年第4四半期決算を発表し、9100万ドルの利益を上げたことを報告した。前年同期には1億6700万ドルの赤字だった。
Twitterは2006年にサービスを開始し、すでに12年近くが経過するサービスとなった。株式上場からは4年が経過しているが、Facebook、Instagram、Snapchatなどに押され、ソーシャルメディアとしてはユーザー数と広告売上を思うように伸ばすことができない不遇の期間が続いてきた。
Twitterは17年第4四半期に、7億3200万ドルの売上高を記録した。この数字は前年同期と比べ2%増だった。17年の他の四半期は前年と比べ4〜8%減であったことから、Twitterの売上にかかわるビジネスそのものが劇的に変化したわけではない。創業者でCEO(最高経営責任者)に返り咲いたジャック・ドーシー氏のもと、コストカットを推し進めた結果、黒字転換にこぎ着けた格好だ。
ユーザーの伸び悩みと、存在価値の拡大
Twitterの決算発表では、引き続き月間アクティブユーザー数が伸び悩んでいる様子がわかる。全世界での月間アクティブユーザー数は3億3000万人で、微増にとどまった。米国のアクティブユーザー数は6800万人で100万人減少した。この理由について、AppleのウェブブラウザSafariに組み込まれていたTwitter連携機能がなくなったことが、100万人減という大きな要因として指摘している。いずれにしても、新規ユーザーの獲得に苦しんでいる状況に大きな変化はない。
その一方で、Twitterの存在価値はますます増している。米国のドナルド・トランプ大統領は大統領就任後も積極的にTwitter投稿を行っており、俳優や歌手、スポーツ選手などが利用するメディアとして注目を集めている。
Twitterはテレビ放送やニュースなどの「ライブ」コンテンツに着目し、そうした映像とTwitterのタイムラインを同時に楽しむスタイルの定着を目指すことで、新たなユーザーと滞在時間の獲得に努めていくことになる。