視聴行動分析サービスを提供するニールセン(米国)は12年、「SNSでテレビの番組が話題になると視聴率が上がる」と発表しています。それ以降、アメリカや日本のテレビ局はTwitterを積極的に利用するようになってきました。そして、同年12月17日、ニールセンと提携して、初めてのソーシャルメディアベースのテレビランキング「Nielsen Twitter TV Rating」を作成することを発表しました。これは、テレビ番組に関する投稿をリアルタイムで分析し、テレビ視聴者の動向や興味のあることを理解するために必要な指標を提供するもので、今秋からアメリカでサービスを開始する予定です。
–日本ではTwitterを利用したネット選挙が話題になっています。
牧野 選挙、政治に関する話題はTwitterでもたくさん投稿されています。例えば、現在1日のツイート数は4億くらいですが、12年の米国大統領選挙のときには、関連するツイートが、1日に3100万にも上ったことがありました。それで、政治家の方々にTwitterのアカウントを取得していただき、Twitter上で有権者とコミュニケーションしていただくというようなこともしています。最近では、Twitter上でオバマ大統領への質問を募集して、それに対して大統領が直接答えるという企画を行いました。
日本ではこれまで選挙期間中はインターネットを利用した情報発信ができませんでしたが、改正公職選挙法が成立し、7月4日公示、21日投開票となる参院選からTwitterなどを使用した選挙運動が実現します。その一方で、“なりすまし”等による誹謗中傷のように、悪質な手口の防止が大きな課題になっています。この“なりすまし”対策として、本人確認ができたアカウントに対してTwitterのアカウントの横に水色のチェックマークをつけることを考えています。これは認証済みアカウントといい、本人であることをTwitterが保証しますというマークです。すでに芸能人や著名人などのアカウントに対しては行っており、今回の選挙では、候補者や政党のアカウントにも同様の“なりすまし”対策を講じたいと考えています。
–今後展開を予定している、新しいサービスや機能について教えてください。
牧野 例えば「Vine」。これは最長6秒の短いループビデオをつくり、共有できるモバイル向けアプリで、画面を指でタッチしている間のみ録画が実行されるという簡単さとTwitterとの連動の容易さが特徴です。そして、6秒以内に収まるのであれば、複数のシーンを継ぎ足すことも可能です。すでにサービスが始まっているアメリカでは、その手軽さやループする動画のおもしろさもあり、個人だけでなく、企業でも利用者が急増しています。
それから、現在はアメリカだけのサービスですが、「ハッシュミュージック」という、Twitter上で聴かれている音楽でランキングをつくるという機能も追加しました。Twitterでは、今自分が聴いている曲を簡単に友達と共有することができます。Twitterのユーザー数を考えれば、Twitterで聴かれた音楽を集計し、ランキングをすれば、今どのような音楽がはやっているかがわかるのではないかという発想からつくられたものです。アメリカ以外の国でのサービスは、これからです。
(構成=編集部)