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高橋暁子「ITなんかに負けない」

メルカリで今こんなモノまで売れている!ユーザ独自ルールでトラブル多発に要注意

文=高橋暁子/ITジャーナリスト
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 メルカリの人気が高まっている。2018年7月時点で日本国内では7100万ダウンロード、利用者数は月間1000万人を超えている。このメルカリの普及は、若者の消費行動にも影響を与えている。

「メルカリで調べて売れるか確認してからものを買うようになった」とある女子大生は言う。「いつも、メルカリで売れ筋のものを買うようにしている。5000円のものを買っても3000円で売れれば、2000円で楽しめたことになってお得」。

 メルカリが人気の理由とトラブルにつながりやすい利用実態について解説したい。

手間も時間もかからない「メルカリ」

 メルカリが人気の背景には、いわゆる「シェアリングエコノミー」がもてはやされる時代背景がある。収入が低迷するなか、消費税も上がるので生活は苦しい。そんななか、手持ちのモノ・コト・スキルなどをシェアすることで収益を得ることに注目が集まっている。フリマサービス、カーシェア、民泊などすべてシェアリングエコノミーの一種だ。

 出品した後、梱包して発送する手間はかかるが、お金はないが時間はある主婦や学生たちに、「使っていない不要なものでお小遣い稼ぎになる」と人気が高い。

 確かに、メルカリが登場する前にも、「ヤフオク!」などの不用品を売れるサービスはあった。ところが、ヤフオクは売れるまでの時間が長いが、メルカリならすぐに売れることが多い。メルカリ社によると、出品物のうち売れるものの半分以上が24時間以内に売れているという。「待てない」といわれるスマホ世代の時間感覚とマッチしているのだ。

 またヤフオクでは、出品する際にも登録する項目が多く時間がかかる。一方、メルカリならスマホだけであっという間に出品できてしまい、手間と時間がかからないのも魅力だったのだ。

捨てるものもアイデア次第で売り物に

 もうひとつ人気の秘訣は、アイデア次第でどんなものでも売ったり買ったりできる点だろう。

 すぐに小さくなってしまう子供服や、七五三の衣装など一度しか使わないものを売ったり安く購入するのは賢い方法だ。それだけでなく、転売が行われている例も多い。たとえば、東日本では販売中止となったカールや、生産終了が発表されたチョコフレーク、休刊した「新潮45」などを定価より高額で売っている例は目立つ。最近は、野菜やフルーツなどを販売してビジネスしている農家もある。

 メルカリでは、使い古しのコスメや試供品が売れることはよく知られている。使いかけの口紅が売れるとは驚きだが、「この値段でお試しできると思えばむしろ安い。正規の値段で購入して失敗したくないから、まず使いかけを安く購入する」と前出の女子大生は言う。

「メルカリでベルマークを買った」という主婦もいる。その女性の子どもが通う幼稚園では、ベルマークを集めることになっている。たくさん集めなければならないわけではないが、クラスごとに集計されるのがプレッシャーだったという。集める手間暇とストレスを考えれば買ったほうがいいと判断したそうだ。

 このほかにも、大学生が大学の講義で提出する出席カードを販売したり、卒業後に大学卒業の証となる学位記入れを売る例もある。どちらも売るべきではないものだが、わずかなお金と引き換えに売ってしまうユーザーはいる。

独自ルールがやりづらさの原因

 一方、運営会社によって禁止されているものの、ユーザーによる独自ルールが横行しているためトラブルにつながりやすい面がある。

 たとえば、「取り置きしてほしい」は、「お金の支払いができないから後で買いたいので取り置きしておいてほしい」という意味。そのようなものに対応して「◯◯様専用ページ」などとタイトル名を変えているユーザーがいる。このようなものも他のユーザーは購入できるが、購入した場合は「横入り禁止」と抗議されてトラブルになる可能性が高いだろう。

 また、出品者によっては「プロフ必読」「即購入不可」と取引前にプロフィール欄を読んだり、「購入していいですか?」「購入希望です」というコメントを求めるユーザーもいる。これもただの独自ルールだが、従わないで購入した場合はトラブルになるかもしれない。

 インターネットリテラシーが低めのユーザーが多くて振り回されることも多く、「1万円」で出品しているものを「1000円でお願いします」などありえない値切り方をしてくるユーザーも少なくないようだ。

 ただし、やはり多くのユーザーにとって、捨てたらゴミになるものがお金に変わる魅力は大きいだろう。トラブルになっても運営会社に連絡すれば対応してくれるので、悩みすぎずに利用してみてもいいだろう。ある大学生は、「買ったものは、メルカリで売ることを考えて空き箱やタグなどをすべてとっておくようになった」と言っていた。今後の購買行動は、このようにするのが当たり前になっていくのかもしれない。
(文=高橋暁子/ITジャーナリスト)

高橋暁子/ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授

高橋暁子/ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授

書籍、雑誌、Webメディアなどの記 事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などが専門。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎) など著作多数。NHK『あさイチ』『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。令和 三年度教育出版中学国語教科書にコラム掲載中。


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