この夏のボーナスシーズンに合わせ、国内ではいくつものメーカーから4Kテレビが発売された。ソニーからはX9200Aシリーズ(65インチ、55インチ)、東芝からはレグザZ8Xシリーズ(84インチ、65インチ、58インチ)、シャープのAQUOS UD1シリーズ(70インチ、60インチ)などだ。
●4Kとは?
さて、まずこの「4K」とはどういう意味だろうか? Kは「1000」を表し、つまり4Kで4000という意味となる。一辺が約4000ドット(横3840×縦2160)のディスプレイ解像度を持つテレビのことを、4Kテレビと呼ぶ。また、縦横の解像度の略として4K2Kと呼ばれることもある。現在、日本国内で主流のフルHDと呼ばれるテレビの解像度が1920×1080なので、縦横それぞれに2倍の解像度を持つことになる。
この4K対応テレビが、いきなりいくつも登場してきたことに対して、「今のテレビで十分。4Kなんか要らない」という意見もある。確かに、今のフルHDで十分な面もあるが、逆に不十分な面もあるのだ。
これはテレビというものが、基本的には一定の解像度が必要であることに理由がある。最近のテレビは、民生用でも80インチを超えるものがある一方で、個人向けに20インチ前後のサイズもある。この異なるサイズで、同じ解像度の映像が表示されるというのが現状だ。
●大画面テレビに4Kが必要なワケ
まずは、現在の主流である「フルHD」という解像度を考えてみよう。これは高画質ビデオメディアのブルーレイビデオの解像度であり、1920×1080ドットだ。10年以上前なら高画質に感じた解像度だが、現在ではPCでも20~24インチ程度のディスプレイで標準的な解像度になっており、27インチ程度のハイクオリティモデルであれば、2560×1440などより解像度の高いものが増えている。PCより大きなテレビの画面で見ると、フルHDの解像度では映像が粗く感じられてしまうのは当然だ。
実際にフルHD解像度のテレビを視聴していると、50インチ以上のサイズのテレビでは、ドットの粗さが目立ってしまう。これは、遠くから見ているとわかりにくいかもしれないが、画面に近づけば明白だ。実際、現在日本のテレビメーカーから発売されている4Kテレビは、すべて55インチ以上になっている。
つまり、4Kテレビの特徴は画面のドット密度を上げて、映像をより精細に表示するところにあるわけで、大画面であるほどメリットがあり、32インチ以下のあまり大きくないテレビでは、4Kにするメリットはほとんどない。50インチ以上のテレビであれば、4K解像度の映像のありがたさを十分に感じることができるが、逆に大型テレビで4Kを選ばないと、その映像を目の当たりにして、がっかりするかもしれない。