実際に使ってみたユーザーの満足度は、どのキャリアが高いのか。10月22日に調査・マーケティング会社・イードが発表した調査結果をもとに確認してみよう。
●iPhone選択の鍵は「LTE」
イードの調査では、3キャリアでiPhone 5s/5cを購入したユーザーを対象に、なぜそのキャリアを選択したのかを質問している。その結果。38.0%が「LTEの通信エリアが広いから」という答えを選択した。
複数回答であるため、さまざまな理由が選択されているが、3位には「LTEのインターネットが速いから」(31.3%)、6位には「プラチナバンドLTEに対応しているから」(18.3%)、9位には「今後のLTEのエリア展開に期待ができるから」(16.0%)が入っており、LTEに関する関心の高さがうかがえる。
これをさらにキャリアごとに分けて集計したものもある。
特徴としては、auのiPhoneユーザーは、「LTEの通信エリアが広いから」「LTEのインターネットが速いから」「プラチナバンドLTEに対応しているから」という理由を選択した人が、他キャリアのユーザーと比較して多い点が挙げられる。「料金が安い」「キャンペーンがよい」という理由を選択した人の各キャリア・ユーザー分布を見ても、auユーザーは特にLTEに期待して購入したユーザーが多いことがわかる。
●利用者のLTE満足度の高さはauがトップ
次に、実際にiPhone 5s/5cを利用した結果、どのような点に満足しているのかを調査した結果を見てみよう。
3キャリアを総合した集計では1位が「LTEのインターネットの速さ」(45.0%)であり、2位が「LTEの通信エリアの広さ」(40.3%)と、やはりLTEに関するものが上位に挙がっている。
キャリアごとの集計では、各キャリアの特色が出ている。
例えばNTTドコモの場合、「店頭スタッフの対応・スキル」への満足度が他キャリアに比べて抜きんでている。ソフトバンクの場合は「Wi-Fiサービス」や「下取りサービス」が評価された。
ではauはというと、「LTEインターネットの速さ」「LTE通信エリアの広さ」でいずれも満足度が50%を越えており、多くのユーザーがよい評価をしているようだ。購入時に重視されたLTEに関しては、特にauユーザーに満足度が高いことがわかった。
●800MHz帯対応で盛り上がった期待に応えたau
LTEに関していえば、auはiPhone 5s発売で最も期待されたキャリアだといえる。ドコモは初めてのiPhone系端末の発売だが、LTEエリアは既存のAndroid端末等が利用できるXiエリアと同じであり、ある程度状況がわかっていた。ソフトバンクに関しては、これまでのiPhoneと基本的に変化がない。
ところがauは今回初めて、これまでスマートフォンだとAndroid端末でしか利用できなかった800MHz帯が利用できるようになった。購入前段階でLTEを理由にauを選択した人の中には、このあたりの事情を考えた人も多いことだろう。
期待が高かっただけに、実際の利用感が悪ければ通常以上に評価が下がってしまうのだろうが、期待どおり、もしくは期待以上の接続結果となった人が、高い満足度という回答をしたようだ。
実際、発売後にはiPhone 5を使っていたユーザーから、「LTEを利用できなかったエリアでも、iPhone 5sでは快適に利用できる」という報告がインターネットで相次いだ。それだけ期待した人が多く、また期待に応えてくれたと感じたユーザーが多かったのだろう。
3キャリアで同端末を扱うだけに、価格やサービスなどでユーザーは利用キャリアを選択する。わかりやすいキャリア色を出すことが勝利につながるが、現時点では「LTEエリアの広さとつながりやすさ」という実感しやすい部分でauが特色を出すことに成功しているといえそうだ。
(文=エースラッシュ)