世の中に出る製品には、開発中の通称がつけられているものが割とある。例えばインテルの最新CPUは、「Haswell」と呼ばれていた。Mac OS Xはネコ科の動物名がつけられており、最近のバージョンでは「OS X Lion」「OS X Mountain Lion」と発売後の名前にも残っている。
開発名は正式な製品名が決まるまでの仮称だったり、愛称だったりするわけだが、なんらかの規則性があることが多い。ファンの中には、次期バージョンの愛称を推測して楽しんでいる人も多いようだ。
そんなふうに、ファンから推測されていたAndroidの次期バージョンの開発名が発表された。次にリリースされる「Android 4.4」の開発名は「KitKat」だ。
●Androidは「お菓子の名前」シリーズで統一
Androidは開発中のOSに代々お菓子の名前をつけている。しかも、頭文字はアルファベット順だ。残念ながら「A」にあたるAndroid 1.0と「B」にあたるAndroid 1.1に関しては開発名が公開されていないが、「C」にあたるAndroid 1.5は「Cupcake」と名付けられている。
<Androidの歴代開発名>
・Android 1.5 Cupcake
・Android 1.6 Donut
・Android 2.0/2.1 Eclair
・Android 2.2 Froyo
・Android 2.3 Gingerbread
・Android 3.x Honeycomb
・Android 4.0 Ice Cream Sandwich
・Android 4.1/4.2/4.3 Jelly Bean
・Android 4.4 KitKat
中には日本であまり馴染みのないものもある。「Froyo」はフローズンヨーグルトのこと。「Gingerbread」はショウガを使ったケーキやクッキーのことだ。「Honeycomb」は蜂の巣という意味の言葉だが、スポンジケーキやシリアルにも同じ名前があるため、それらを指したものかもしれない。途中までは菓子の中でも焼き菓子の名前がつけられるといわれていたが、「Froyo」あたりから少し様子が変わってきたようだ。
●「KitKat」は「Kit Kat」と正式コラボ
次期バージョンの名前として出てきた「KitKat」。すぐにお馴染みのチョコレート菓子が思い浮かぶだろうが、実は表記が少しだけ違う。菓子のほうは「Kit Kat」と単語間にスペースが入るらしい。
しかしあの菓子を指しているのは明らかで、「製造元とトラブルにならないのか?」と不思議に思う人がいるかもしれないが、「KitKat」と「Kit Kat」は正式にコラボレーション。日本でも「Kit Kat」を販売するネスレ日本が、抽選で合計3000名にAndroid OS搭載のNexus 7が当たるプレゼントキャンペーンを実施している(http://www.android.com/kitkat/)。
今後、新機能追加や端末への搭載状況などの記事に頻繁に登場するであろう開発名を、おやつの名前と一緒に覚えておくとよさそうだ。
●Googleの庭には“お菓子な”ドロイドくんが林立
Androidのマスコットキャラクターとして、緑色のロボットのようなものを見たことがあるだろう。あれは「ドロイドくん」と呼ばれている。そして、最近のバージョンでは開発名にちなんだ形のドロイドくんが用意されている。
例えば「Ice Cream Sandwich」の時には、茶色いビスケット状のプレートで白いものを挟んだドロイドくんが登場。「Jelly Bean」の時には胴体部分が透明になってゼリービーンズを詰め込まれた、キャンディポットのようなドロイドくんが作られた。
そして、この姿を模した巨大なオブジェがGoogle本社の庭に飾られている。ドロイドくんのコスプレ的なスタイルになる前の、フローズンヨーグルトやジンジャーブレッドも並んでおり、Googleの庭はかわいらしく美味しそうな状態だ。
ここにもちろん「KitKat」も加わっている。チョコレートのバーを並べたようなプレートの、あの見た目をそのまま使って作られている姿は、なかなかかわいらしい。毎回Google+などでその様子が公開されているが、今回はGoogleのシニアバイスプレジデントであるSundar PichaiがGoogle+とTwitterで公開している(https://plus.google.com/u/0/+SundarPichai/posts/NeBW7AjT1QM)。
(文=エースラッシュ)