楽天モバイル利用料を0円にする方法…楽天ヘビーユーザは「トクしかない」

　6月1日から提供が始まった楽天モバイルの「最強プラン」。同プランの月額利用料を実質0円にする方法があると一部で話題となっている。12月1日の「楽天スーパーポイント」のSPU（スーパーポイントアッププログラム）改定を受け、楽天グループが提供する各種サービスでの買い物や「楽天カード」への加入を活用することによって獲得したポイントを、楽天モバイルの支払いに充てるというものだが、通信料をタダにすることは果たして可能なのか。業界関係者の見解も交えて追ってみたい。

　従来の楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VII」は、月間データ利用量3GBまでは月額1078円（税込み、以下同）、同3GB～20GBまでは月額2178円、データ使い放題は月額3278円であり、専用アプリ「Rakuten Link」を使用すれば音声通話とSMSは無料となっていた。ただ、データ利用量については、KDDIのパートナー回線によるauローミングサービス利用時の高速通信は月間5GBに制限され、制限を超えると通信速度が1Mbpsに制限されていた。6月から始まった「最強プラン」では、従来の料金体系を維持しつつ、auローミングの制限が撤廃された。

　同プランの好評も追い風となり、楽天モバイルの契約数は順調に伸長し、11月21日には契約数が600万回線（MNO回線とMVNO回線の合計）に到達した。

「最強プラン」加入と楽天カード保有という両方の条件

　そんな楽天モバイルの月額利用料を実質0円にする方法があるという。楽天グループは各種サービス利用時に付与される楽天スーパーポイントのSPUを大幅に改定。「最強プラン」加入者はいつでもポイントが＋4倍になり、楽天カードを保有して各種サービスの決済に利用すれば＋2倍になるため、「最強プラン」加入と楽天カード保有という両方の条件を満たすユーザは、楽天会員に付与される1倍と合わせて、常に獲得ポイントが通常の7倍になるという恩恵を受けることができる（期間限定）。楽天ポイントは100円の買い物ごとに1ポイントがつくため、楽天のサービスで毎月5万円の買い物をすれば

・5万円÷100円×7＝3500

で3500ポイントつくことになり、これを楽天モバイルの支払いに充てればデータ使い放題プラン（3278円）でも楽天ポイントだけで賄えることになる。ちなみに年4回開催される楽天スーパーセールでは最大でポイントが10倍になることもあり、それをうまく活用することで、より少ない出費で楽天モバイルの月額利用料を実質タダにすることができる。

「楽天グループが携帯電話事業に参入した大きな狙いの一つが、携帯契約者を楽天の各種サービス、いわゆる楽天経済圏に囲い込むという点。今回のSPU改定で楽天モバイル契約者の恩恵がより大きくなるように設定されたのも、それが理由だ。楽天グループとしても『楽天のサービスでたくさん買い物をすれば携帯料金が実質タダになる』というのは大きなアピールポイントになる。実際、楽天市場や楽天トラベルなど楽天のサービスのヘビーユーザであれば、契約すべきキャリアは楽天モバイル一択になってくるし、楽天モバイルに加入して買い物はできるだけ楽天で行うようにすれば毎月の通信コストを低く抑えられる、もしくはゼロにできるので、オトクとしかいいようがない」（大手キャリア関係者）

楽天モバイル契約者にとってはポイントを貯めやすい仕組みに

　ITジャーナリストの石川温氏はいう。

「12月の特典内容変更は世間的には『改悪』のように見られることもあるが、実際は楽天モバイルを使っている人にとってはポイントを貯めやすい仕組みになった（一方で、楽天経済圏のヘビーユーザにはやや改悪ともとれなくもない）。データをあまり使わず、月に3GBで収まる人であれば、楽天モバイルと楽天カードの組み合わせ、さらにポイント倍率の付与率によっては月に1万8000円程度、楽天市場や街でカードを使えば、ゼロ円での維持が可能。ポイントの付与倍率を増やすことが重要なので、楽天モバイルを契約しつつ、楽天カードを街中でも使う、さらにキャリア決済も行うことを心がけるのが大切」

　なお、楽天カード通常分（ポイント倍率＋1倍）にはポイントの上限はないが、楽天カード特典分（同＋1倍）は上限が1000ポイントとなっているため、特典分の＋1倍については10万円までの買い物にしか適用されない点は注意が必要だ。また、今回のSPU改定によって、楽天プレミアムカードのポイント倍率は＋2倍からゼロに、上限は1万5000ポイントから5000ポイントに削減。楽天カード会員の「毎月5と0のつく日」の利用時の付与ポイント倍率は5倍から4倍に、「5と0のつく日特典」分の獲得上限ポイントは3000ポイントから1000ポイントに削減されている。

（文＝Business Journal編集部、協力＝石川温／ITジャーナリスト）