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いずれのアプリも多言語に対応しているため、訪日旅行者が自国語で配車を依頼できる一方、ドライバーは日本語で配車情報を確認できる点も大きなメリットだ。上記2社のビジネスモデルは、自社で車両を持たず、乗客とドライバーのマッチングを行っている点も特徴的。タクシー会社ではないことから、日本では旅行業免許を取得した旅行業者扱いとなっている。
日本企業でも異業種から参入する例が増えてきた。配車するたびにポイントを貯められる「得タク」を開発したモバイル・コマース・ソリューション、乗客からの評価が高いドライバーを指名し、“お抱え運転手”としていつでも呼び出せる「タクシル」を開発したロジックリンなど、ITベンチャー企業が配車だけではなくプラスアルファのサービスを付加したアプリを開発している。
「タクシル」はタクシー会社の配車アプリと異なり、会社の垣根を越えてタクシーを利用した客が個々のドライバーを客観的に評価し、配車を依頼する際には、その評価を参考にして安心感を持ってドライバーを指名できる。他方、ドライバーにとっては、自己の評価が収入に直結するため、モチベーションが上がり、ひいてはサービスが向上するなどの効果が期待できる。配車アプリによってドライバーも選ばれる時代になってきたといえそうだ。
日本初のタクシー事業が開始されてから約100年。国民の身近な交通手段として親しまれてきたタクシーは今、潮目の変化を迎えている。乗客の利便性が増すだけでなく、タクシー需要の掘り起こしが期待される配車アプリは、右下がりのタクシー業界の活性剤となるかもしれない。
(文=千葉優子/ライター)
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