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日ハム・清宮、早くも来年正念場…栗山監督の“1軍で特別扱い”にチーム内で不満充満

文=編集部
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清宮幸太郎(写真:日刊現代/アフロ)

 日本ハム清宮幸太郎選手が11月27日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、200万円増の年俸2000万円(推定)でサインした。2年目の今季は開幕前に右手首付近を骨折して出遅れ、初めて4番打者を務めるなど81試合に出場したが、打率は2割4厘、7本塁打、33打点。「チームに貢献できず、けがで出遅れもあった。こういう評価をしてもらってうれしい」と語った。

 10月下旬に痛めていた右肘の手術を受け、2020年2月の春季キャンプで復帰を目指してリハビリに取り組んでいる。「シーズンが終わって堂々と胸を張れる成績を残したい。清宮なくして優勝はなかったと言ってもらえるような活躍ができれば」と奮起を誓った。

「日本ハムが今季、散々な成績に終わった原因の一つは、栗山英樹監督がまったく実績のない清宮を4番に据えたこと。中田翔選手が故障で離脱したとはいえ、清宮の4番はないよ」(日本ハムのOB選手)

 まったく成績が上がっていないのに200万円増となったことを受け、別の日ハムOBは「これで来季の優勝はないかもしれない」と語る。

“ハンカチ王子”こと斎藤佑樹は2シーズン続けて勝ち星なし。12月2日に契約更改し、現状維持の1600万円でサインした。斎藤投手は入団した時から人気ばかり先行していたが、それでも勝ち星を挙げた年もある。日ハムファンからは「斎藤が1600万円なのに、なぜ清宮は2000万円なの。現状維持の1800万円だってもらいすぎだよ」という声があがる。

 清宮は右肘に以前から“爆弾”を抱えていた。2018年7月、右肘の炎症による1カ月強の間、二軍暮らしを強いられ、今期もシーズン中から右肘の痛みに悩まされていた。清宮が肘を痛めるのはスローイングに難があるからだとされる。肘の関節の微細な骨が良くなっても、投げ方が改善されない限り、肘だけでなく、小学生時代に痛めた右肩の古傷がぶり返す危険がある。実際、高校2年の時にセンターにコンバートされた際には、右肩痛が再発した。ファーストに専念するならまだしも、中田がいる以上、レフトでの出場機会も増える。プロ3年目の来季、清宮は早くも正念場を迎える。

栗山監督の独善的采配に疑問の声も

 日本ハムはOBで前中日2軍監督の小笠原道大(45)のヘッド兼打撃コーチ就任を10月に発表した。清宮、ルーキーの野村佑希(19)、万波中正(19)ら若手の育成を担うといわれている。

「実態は清宮の専属コーチといっても過言ではない。来季ブレイクしなければ清宮は終わってしまう、という危機感を首脳陣は持っている」(日本ハムOB)

 高校通算111本塁打は史上最多。ドラフトで高校生最多タイの7球団が指名したが、プロ入り後は完全に伸び悩んでいる。左打者を育てるコーチが必要ということで、小笠原に白羽の矢が立った。

「清宮を4番にしたことや、順調に投げていたピッチャーを初回で交代させたりと、数々の作戦ミスが指摘された栗山監督の独善に、ブレーキをかける役割を担わせるためにヘッドコーチの肩書をつけた。栗山監督はただでさえコーチの進言に耳を貸さない」(同)

 栗山監督が続投したのは、侍ジャパンの稲葉篤紀監督との兼ね合い。侍ジャパンは東京オリンピックで勝たなければならないので、監督を交代させられないのだ。2021年に稲葉氏が日本ハムの監督になるのが既定路線とされる。

 日本ハムは首位と0.5ゲーム差で迎えた8月に、球団ワーストの20敗を喫し5位に終わり、栗山監督は解任されてもおかしくはない。だが、畑佳秀オーナーが「もう一年」と決めた。栗山監督は来季で9年目となり、1976~83年に監督を務めた大沢啓二監督を抜き、球団最長となる。確かに故障者が続出したが、栗山監督の指揮ぶりに納得していない選手が多かったのも事実。来季、月間20敗などしたら、「監督休養、小笠原ヘッドのピンチヒッター」などということも考えられる。

「2012年に監督になったとき以上の思いを持って来季、進む。優勝しかない」(栗山監督)

 清宮の200万円アップは監督だけの責任ではない。フロントの選手評価が、いかにいい加減かということだ。打撃、守備とも、お世辞にも一軍レベルではない清宮を最後まで一軍に帯同させたことが、チームがバラバラになった最大の原因とされる。チーム内には「打てない、守れないのに、なんで一軍なんだ?」という声が渦巻いていた。

「野球へ取り組む姿勢が甘い。ダメでも一軍に置いてもらえるという気持ちが、清宮をスポイルしてしまった」(球団関係者)

 未完の大器は「未完」のまま終わりそうな雲行きである。

(文=編集部、敬称略)

BusinessJournal編集部

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