新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が16日、7都府県から全国に拡大された。なかでも感染者が多く「特定警戒都道府県」に位置づけられた東京都は、「3密」による感染の恐れがある業種・施設を対象に営業自粛を要請するなど踏み込んだ対応を見せている。23日には小池百合子都知事が会見を行い、スーパーマーケットなどでの客の密集状態を解消するため、買い物を3日に1回程度に控えるよう呼びかけた。
この呼びかけの是非については、すでに議論を呼び、メディアでも大きく取り上げられているが、27日放送のテレビ番組『とくダネ!』(フジテレビ系)では、スーパーでの買い物が3日に1回になった場合に何を買うべきかを栄養士がアドバイスするという内容が報じられた。そして、このコーナーでは実際にスーパーでロケを行う映像が放送されたため、インターネット上では次のような疑問の声が上がっているようだ。
「これ大丈夫? またスーパーの棚から特定商品消滅案件じゃない?」(以下、原文ママ)
「免疫力アップの食材選びとかやってる…絶対また品薄になるじゃんね。しかも、混んでるスーパーで実際に買い物ロケしてる。こういう番組見ると、あーあってなっちゃう」
「また、スーパーに人が増えるし、ある一定の品物が消える特集してるよ。こういう特集が品薄発生源なの学習できないの?」
「スーパーの3密を避けるためなるべく一人で買い物しましょうと言いながら、管理栄養士とスーパーにロケに行きカメラマンと入店 マスコミは特別なんだなぁ」
「その為に態々スーパーで買い物するロケとか必要? 一般人にはひと家族1名で来店した方がいいって言っといてロケには何人行ってるの? 本当に常識無くて頭痛い」
「わざわざスーパーでロケ、カメラマン付きって…」
想定できた批判
こうした声について、テレビ局関係者は言う。
「今はどの局の情報番組でも予算削減のため、ロケなどを制作会社のスタッフ一人でこなすこともザラなので、今回の『とくダネ』も、一般の人々がイメージするドラマの撮影のような大人数で撮影したわけではないでしょう。ただ、いつ撮影したのかはわかりませんが、知事が会見までして“できるだけスーパーに行かないで”と呼びかけているこの時期に、堂々とスーパーでロケをする映像を流せば、やはりこうした批判は出ますよね。
また、納豆など一部食品の品薄が続くスーパーも多いなか、特定の商品の品薄を助長するという指摘も予想できるので、なぜわざわざこの時期に、こうした内容の企画を流したのかは疑問です。どこかの段階でスタッフのなかかから『この内容、ヤバくない?』といった声が出なかったのかが気になります」
東京都は26日、新型コロナウイルスの感染者を新たに72人確認したと発表し、一日当たりの新規感染者が13日ぶりに2桁になった。一方、小池知事は都の配信動画で「まだまだ気を抜くわけにはいかない」と“気を引き締める”よう呼びかけており、メディアも報道内容に細心の注意を払うことが求められているといえよう。
(文=編集部)