東京・新宿歌舞伎町の飲食店で、客に対し法外な料金を請求する、いわゆる「ボッタクリ行為」が問題となっているが、カモにされているのは日本人だけではないようだ。
中国国営通信社「新華社」は6月6日、アジア最大級の歓楽街の歌舞伎町で、中国人をはじめとした外国人観光客がボッタクリ被害に遭うケースが昨年夏頃から増加していると伝えた。
特にターゲットにされているのはアジアやアフリカから観光に来た男性で、言葉が不自由なことにつけ込み、初めに説明した料金からかけ離れた金額を請求するという手口が横行しているという。
昨年7月、初の日本旅行で夜の歌舞伎町を訪れたという中国人男性は、路上の客引きに英語で声をかけられたという。その後、彼が中国人だと知った客引きは、中国語で「刺激のある場所にお連れします」と誘い、「言葉のわからない外国人は2万円の保証金が必要」と要求したという。男性が保証金を支払うと、小さなビルのエントランスに案内され、そこで別の日本人店員に引き渡された。その店員から複数の女性の写真が掲載されている冊子を渡され、その中から1人選ぶと追加で1万円を支払わされたという。
さらに店員はここで「ヤリ部屋の保証金」として5万円を要求。これに戸惑った男性は、客引きの男を呼んでくるよう求めた。すると店員は威圧的に「手数料がかかる」と主張。ここでようやくだまされたことに気づいた男性だったが、言葉があまり通じないうえに1人ではなすすべもなく、彼らに手渡した3万円も戻ってくることはなかったという。
また別の中国人の証言によると、「歌舞伎町の飲食店で離れた場所にいた女性と乾杯のしぐさをしただけで、5万円を要求された」という。
同記事では、一方で「さらに心痛いことに、ボッタクリを行う側に中国人の姿があるケースも少なくない」としており、中国人が日本で同胞をカモにしているケースがあることも指摘している。
2020年の東京オリンピック開催決定を機に観光立国を目指す日本だが、外国人が安心してナイトライフを楽しめる環境の整備が急がれる。
(文=編集部)