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独裁的国家・韓国、制御不能の非常事態突入…国民の閉塞感剥き出し、朝鮮半島危機か

文=真壁昭夫/信州大学経法学部教授
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 この談話が発表された目的は、弾劾を回避することにある。11月下旬、野党が進めてきた弾劾案の取りまとめに、与党の非主流派が賛同するとの見方が強まってきた。そのため、朴大統領はなんとかして自身の面子を保ちたいのだろう。

 談話のなかで朴大統領は、私的な利益は追求していないと、改めて潔白を主張した。そして、去就は国会の決定に従うとの条件付きであり、自ら即時の辞任を表明したわけではない。発言内容からは、朴大統領が大統領の座に強く執着し、自らの立場を守りたいと頑なであることがわかる。

 この姿勢を見た国民の怒りは、当然のごとく高まっている。12月3日には、朴大統領の即時辞任を求める抗議デモに過去最大の32万人が参加した。朴大統領への批判や怒りが続く限り、野党は現政権への批判を行い、有権者の支持を取りつけようとするはずだ。そうなると、政治は目先の支持獲得を重視し、中長期的な社会の安定よりも現政権などへの非難合戦につながる恐れがある。

次期大統領候補者の顔ぶれ

 
 そうしたなか、次の大統領は誰かという話題に関心が集まっている。11月下旬の世論調査で支持率が高かった順に、文在寅(ムン・ジェイン/共に民主党前代表)、潘基文(パン・ギムン/国連事務総長、本年末で任期終了)、李在明(イ・ジェミョン/城南市市長)、安哲秀(アン・チョルス/国民の党前代表)の4氏が有力な候補とみられているようだ。
 
 文在寅氏は故盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の側近として政権運営を支えるなど、国内での政治経験が長い。そして、同氏は親北朝鮮の考えを持っているといわれている。北朝鮮が核開発やミサイル発射を繰り返して国際社会を挑発するなか、同氏が朝鮮半島の安定を支えていくことができるかは不透明だ。本年7月、大統領選挙をにらんで文氏は竹島に上陸するなど、わが国との関係改善にも不安が残る。

 潘基文氏には国連事務総長という肩書きに注目が集まりやすい。ただ、国連事務総長としての評価は芳しくない。たとえば、ロシアのクリミア侵攻を欧米が非難するなか、同氏はロシアの対独戦勝記念式典に参加するなど、国際社会への配慮を欠く行動が目立つ。同氏が中長期的な政治・経済の安定を支えることができるかは疑問だ。

 李在明氏は米国の次期大統領ドナルド・トランプ氏を尊敬しているといわれ、過激な発言が目立つ。一部では“韓国のトランプ”との呼び方もあるほどだ。実際、同氏は朴大統領の収監、財閥企業の解体などを主張している。直近では李氏は朴大統領批判で支持を集めているとの指摘もあり、その言動と支持率の動向には注意が必要だ。

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