異常な相思相愛の安倍総理とトランプ…完全秘密のゴルフ会談の裏側、難問題は一切無視
11日(日本時間)に行われた日米首脳会談について、わが国では概ね好意的な受け止め方がされている。なかには「100点満点だった」と高く評価する外務省OBもいるほどだ。確かに、日米安保条約の意義を再確認し、「尖閣諸島も条約の範囲だ」とトランプ大統領から言質を取ったことは、海洋進出を加速する中国をけん制する上で有意義だったといえる。要は、中国が攻め込んできた場合にはアメリカ軍が出動し、日本と共に戦う、という約束を得たわけだ。
しかし、大事なことは、トランプ氏が発言したように、「日本、中国、アメリカの3カ国にプラスになるような関係を構築すること」ではなかろうか。その点、トランプ大統領は安倍総理を迎える直前に、中国の習近平国家主席と長時間に及ぶ電話会談をこなし、中国の主張する「ひとつの中国」を尊重すると述べ、台湾の蔡英文総統からの電話に応じたことで、ぎくしゃくしていた米中関係の改善に一歩踏み出している。
米中の首脳は近く直接会談することでも合意した。日本と中国を両天秤にかける、巧みな外交といえよう。中国からは「トランプ大統領の発言を敬意を持って受け止める」との反応を引き出し、米中関係の改善に布石を打ったかたちである。
本来であれば、安倍総理はトランプ大統領の懸念材料である、貿易赤字の原因である中国と日本との通商貿易問題や為替政策について突っ込んだ話し合いをすべきであった。ところが、こうした機微に及ぶテーマはすべて先送りし、ペンス副大統領と麻生副総理兼財務大臣との間で協議することに止めただけである。TPP(環太平洋経済連携協定)をはじめ、通商や為替など難しい課題には極力触れず、4回の食事と2回のゴルフで親交を深めることに精力を傾けたというわけだ。これで「100点満点」といえるのだろうか。
歴史的な長時間の握手
大統領選挙期間中、トランプ氏は事あるごとに、「駐留米軍の経費負担が少ない」とか「トヨタ自動車がアメリカで売れているのに、アメリカ車が日本で売れないのは不公平だ」といった日本批判を繰り返していた。そのため、日本政府はトランプ大統領からどのような無理難題が突き付けられるか気をもんでいたが、そうした懸念は表向き杞憂で終わった。