異常な相思相愛の安倍総理とトランプ…完全秘密のゴルフ会談の裏側、難問題は一切無視
もちろん、万が一に備え、安倍総理は日本企業がアメリカで4000億ドルの投資を重ねてきており、170万人のアメリカ人に雇用の場を提供しているとの説明を用意していた。また、在日米軍への「思いやり予算」も83億ドルに達することを裏付ける資料を準備していた。ところが、トランプ氏が一貫して上機嫌であり、こうした説明は不要になったようだ。
さらに意外だったのは、握手嫌いのトランプ氏が安倍総理と19秒間も握手したこと。その際、安倍総理が見せた、驚いたような怪訝な表情がアメリカではインターネット上で拡散したものだ。確かに、以前からトランプ氏は「握手は病原菌がうつるきっかけになる。だから握手は嫌いだ。日本人のようにお辞儀を交わすほうが賢いやり方だと思う。アメリカ人は日本人からお辞儀の文化を学ぶべきだ」と語っていた。
それが歴史的な長時間の握手とは。どうやら、それまでメキシコ、オーストラリア、ドイツの指導者たちと電話でケンカばかりしてきたため、自分のことを「最高のビジネスマン」と持ち上げてくれる安倍総理の訪問がうれしくてしようがない、といったところだったに違いない。
ゴルフ外交
とはいえ、熱い握手やハグを求められて、安倍総理も終始ご機嫌であった。なにしろ、昨年11月には当選直後のトランプ氏をニューヨークの住まいであるトランプタワーに世界の指導者としては最初に訪ねたほど。そして今回、ワシントンのホワイトハウスを公式訪問し、その足でフロリダのトランプ氏の別荘「マール・ア・ラーゴ」に滞在。トランプ氏の住まい3カ所を訪ねた記録保持者になったわけだ。しかも、トランプ氏の所有するゴルフクラブ2カ所でプレー。スコアは公表されていないが、「上出来だった」と満面の笑みを浮かべていた。
トランプ氏のゴルフ好きは有名だ。同氏のベストセラー『敗者復活』に述べられている彼の「成功10か条」の第1に挙げられているのは「ゴルフ」にほかならない。曰く、「ゴルフを通じて心身ともにリラックスできる。そしてビジネス相手の性格を判断するには最高の場となる。食事を共にするより、ゴルフをすることで分かることが多い」。
安倍総理はホワイトハウスの記者会見で「自分のゴルフの腕前はトランプ氏にはとても及ばない」と謙遜していたが、フロリダのゴルフ外交でどこまで本音で相手に迫ったのであろうか。最初はプロゴルファーを入れてのプレーだったが、場所を変えての2回目のプレーは通訳を伴っていたものの、まさに2人っきり。誰も聞き耳を立てていない場所での5時間。どんな話題が俎上に上ったのか。