渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

在韓米軍、撤退の可能性…韓国、米国の庇護終了で北朝鮮の脅威強まる

在韓米軍撤退、北朝鮮の脅威が増す可能性も

 言うまでもなく、戦時作戦統制権の問題は在韓米軍の存在と表裏一体だ。簡単に言えば、戦時作戦統制権の返還は在韓米軍の撤退を意味する。李政権も朴政権も、政府の軍コントロール能力不足を自覚していたからこそ、戦時作戦統制権の返還延期を求めていた。また、戦時作戦統制権が返還されれば、朝鮮半島における有事の抑止力も激減することは明白だ。

 しかし、文大統領は公約通り早期返還を求める構えだ。約2万8500人とされる在韓米軍が撤退すれば、韓国は北朝鮮や中国の脅威に直接的にさらされることになる。朝鮮半島情勢がさらに緊迫化することは避けられないだろう。

 文大統領は「条件が整えば平壌にも行く」と公言しており、6月末には初の米韓首脳会談も予定されている。THAADおよび戦時作戦統制権の問題が、朝鮮半島の命運を握っているのかもしれない。
(文=渡邉哲也/経済評論家)

渡邉哲也/経済評論家

作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務し独立。複数の企業を経営、内外の政治経済のリサーチや分析に定評があり、政策立案の支援、雑誌の企画監修、テレビ出演等幅広く活動しベストセラー多数、専門は国際経済から金融、経済安全保障まで多岐にわたり、100作以上の著作を刊行している。

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