トヨタ「空飛ぶ車」、東京五輪で聖火台点火か…空飛ぶタクシー、エアバスが年内に運行
近年の中国における急速な経済発展ぶりに驚かされる。その一方で、自動車公害や慢性的な交通渋滞は悩みのタネだ。これは地元の中国人も同様で、高速鉄道や地下鉄が普及しているものの、ステータス・シンボルでもある自動車は増加の一途をたどっている。なんとか一日も早く交通マヒのイライラから解放されたいと、誰もが願っているに違いない。
こうした渋滞問題は中国に限ったことではない。東京をはじめ世界の大都市は、どこでも人と車が増え過ぎて大変な状況だ。現在、世界人口の54%が都市に集中しており、その率が2050年には70%に近づくというから、今後ますます道路は混むことになるのは確実である。
その結果、発生している経済的損失がどれくらいか想像してみたことはあるだろうか。実は、アメリカだけで年間1600億ドルというから、日本円に直すと16兆円もドブに捨てていることになる。もったいない話だ。
こうした状態をなんとか解消し、新たなビジネスチャンスを生み出そうとして努力を重ねている企業が出てきた。
例えば、フランスのエアバス社である。同社の新機軸は「空こそ解決の道!」というもの。なんと「空飛ぶ自動運転タクシー」を17年から運行させると発表。現在、試作品を実験中であるが、安全性に関する国内法規をパスした国から順次、導入に踏み切るとのこと。
実際、エアバス社ではシンガポールですでにドローンを使った宅配サービスの許可を得て、実験を繰り返しており、手回しがいいといえるだろう。要は、航空機の製造で培った技術力を武器に、新たなビジネスに参入する機会を虎視眈々と狙っているわけだ。このところ、利用者の増えているウーバーと同じように、「ゆくゆくは携帯電話で空飛ぶ自動タクシーを呼べるようにする」と鼻息が荒い。
まだ準備の段階だが、20年の東京オリンピックの開会式では、トヨタ自動車が開発中の「スカイドライブ」と呼ばれる「空飛ぶ自動車」が聖火台に火を灯すことで観客を驚かす計画も進んでいる。東京では多言語対応のロボットタクシーが間違いなく登場するはずだ。
ドバイ政府の未来戦略
そうこうしているうちに今年6月、ドイツのヘリコプター製造会社がドバイで「空飛ぶタクシー」のサービスを始めると発表した。しかも「無人機」である。この会社はボロコプターという名前であるが、「17年末までに試運転を始める」ことでドバイの道路交通局から許可を得たという。