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日本人が知らない、在日韓国・朝鮮人の私生活と思い

構成=長井雄一朗/ライター
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日本人が知らない、在日韓国・朝鮮人の私生活と思いの画像1「ハングルカレンダー」を手にする在日本大韓民国青年会の朴裕植会長

 韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による南北首脳会談が4月27日に開催されることが決定した。5月末までには、韓国が仲介するかたちで史上初の米朝首脳会談が開かれる見通しだ。また、同月には日中韓首脳会談が開催される予定で、実現すれば文大統領が初来日する。日韓間は従軍慰安婦の問題などがいまだに尾を引いているが、関係改善につながるかが注目される。

 一方で、日本で暮らす在日韓国・朝鮮人の私生活については、うかがい知れない部分も多い。若者の生き方が多様化している昨今だが、それは在日韓国・朝鮮人も同じようだ。今、彼らは何を考え、どんな生き方を目指しているのか。あくまでひとつのケースだが、在日本大韓民国青年会の朴裕植(パク・ユシ)会長に聞いた。

韓国で起業して大成功する在日韓国・朝鮮人も

――在日韓国青年会の活動内容について、教えてください。

朴裕植氏(以下、朴) 在日韓国青年会は民団(在日本大韓民国民団)の傘下団体で、韓半島(朝鮮半島)にルーツを持ち日本の永住権を有する18~35歳の人たちで構成されています。日本や韓国に対して貢献と親善を図り、特に若者の在日韓国・朝鮮人ネットワークを構築することが主な活動目的です。

 具体的には、「本国ワークショップ」といわれる研修で3世や4世の若い世代が韓国を訪問し、気づきや学びを通してチャレンジする姿勢を促します。研修は、大きく3つのテーマに分かれています。

(1)南北統一で自分たちが貢献できることは何か
(2)歴史・人権で我々が学んでいないことは何か
(3)韓国での経済活動でどういうことができるか

 また、国際理解や日韓関係の親善を進めるために、韓国語の単語を1日1つずつ覚えられる「ハングルカレンダー」を制作し、全国の小学校と中学校に無料で寄贈しています。

――先日の本国ワークショップでは、どういう気づきがありましたか。

 一言では難しいですが、在日韓国・朝鮮人として韓国を知ることができ、それが自己成長にもつながりました。参加者は20代前半から30代の60名。1980~90年代には、「在日韓国・朝鮮人は韓国本国に送金している」というイメージがありましたが、在日韓国青年会の世代は「韓国社会に本格的にコミットできるのは、これからかな」と思っています。ただ、韓国で起業して大きな成功を収めている先輩もいますし、彼らに会うことで自分たちの可能性を実感することができました。

「日本人になめられないようにしなさい」

――一般の日本人からすると、在日韓国・朝鮮人の私生活はベールに包まれている部分も多いです。もちろん各人によって異なりますが、たとえば朴会長はどのように育ちましたか。

 両親のしつけは厳しかったです。父は戦前の神奈川県川崎市生まれで、母は韓国人。私は韓国生まれで、3歳のときに来日しました。ただ、20歳を過ぎるまで「在日韓国・朝鮮人」という認識はなく、自分のことは「日本にいる韓国人」と受け止めていました。20代になって民団と出会い、いろいろとコミットするなかで、今は青年会長を務めています。

 母からは、よく「日本人になめられないようにしなさい」と言われました。たとえば、子どものときに「スーパーファミコン」が発売されましたが、持っている友達の家によく遊びに行きました。すると、親から「なんでわざわざ行くんだ。恥ずかしいからやめろ」と言われたことをよく覚えています。

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