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「ここ数年、自然災害やテロへの対応、あるいはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の発達やクレーマーの増加などにともなって、危機管理は日本企業の大命題となっています。そこで、何か起きたときのリスク対応を学ばせることで、企業が欲しがる人材を輩出できますからね。日大さんは16年に同学部を新設しています。
倍率が高いのはまだ新しいからですが、来年度はどうなるでしょうか。あんなお粗末な対応を目にしてしまえば、間違いなく下がるどころか、下手をすると定員割れになるかもしれません。
危機管理学部だけでなく、ほかの学部も相当なダメージを受けると思われますが、『喉元過ぎれば熱さを忘れる』という日本人の気質を考えると、日大さんが経営体制を入れ替えて反省の色を見せれば、数年後には倍率が上昇して元に戻るでしょう。そのために真っ先にやるべきなのは、内田さんの処分だと思います」(同)
人事権を握る大学ナンバー2だった内田前監督
今回の騒動は、悪質タックルを指示したとされる内田前監督が常務理事という大学のナンバー2で、人事権を握る人物であったことが最大の悲劇だ。人事権を持つポジションは、どんな組織であっても絶大な権力を手にする。極端にいえば、気に入らない人間を一存でクビにすることもできるからだ。
もし、部内のほかの責任者が騒動の張本人だった場合、内田前監督はその人物をクビにしていただろう。しかし、黒幕が誰も何も言えない存在であったことが問題を根深いものにしている。
日本一のマンモス校のナンバー2という絶大な権力を握り続け、その地位にあぐらをかき続けたことで、組織人として必要な配慮や想像力が欠如してしまった。それが大学全体の対応のまずさにつながり、日大のイメージやブランドは地に堕ちた――そうして失った信頼を取り戻すために何をするのか、日大の今後の対応に注目したい。
(文=後藤豊/フリーライター)
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