野党が外相に無理な審議出席要請→8千万円かけチャーター便を用意→野党の質問は2つのみ
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。
先日、議員会館の会議室前の廊下が大勢の人であふれていました。記者らしき人や秘書たちでギュウギュウの人混みをかき分けていかないと、議員も中に入れないくらいです。こんなに人の集まる会議は、なかなかありません。
「今日はなんなの?」
知り合いの秘書に聞くと、「ほら……」と会議室の中をのぞいています。視線の先には、自民党の小泉進次郎衆議院議員がいました。小泉議員らが中心になって、「『平成のうちに』衆議院改革実現会議」を超党派で立ち上げたそうです。これは、「平成のうちに、小さなことでいいから衆議院改革を進めよう」という趣旨のようです。
会長には浜田靖一議員(自民党)、会長代行には佐藤勉議員(自民党)と古川元久議員(国民民主党)、そして、副会長に馬場伸幸議員(日本維新の会)、細野豪志議員(無所属)、伊藤渉議員(公明党)が就任しています。事務局長を務めるのが小泉議員です。
また、“党内事情”で役員には就任できなかったようですが、荒井聡議員(立憲民主党)も呼びかけ人に名を連ねていました。なぜか、立憲民主党は「小泉議員の会合には同調しないように」というお達しを出していたようです。
小泉議員の行動を「野党分断が目的では?」と警戒しているようなのですが、とんだ誤解だと思いました。会合をのぞいた印象では、小泉議員も与野党の議員たちも、みな「現状を改革する必要がある!」という強い使命感に燃えて集まっているように見えました。
初会合では、「党首討論をゴールデンタイムに開催することで、より多くの国民に審議を視聴してもらいたい」「『ニコニコ生放送』などと連携して、インターネット中継のチャンネルをつくるのもいいのではないか」といった議論が交わされたようです。
また、ほとんどの法案は「起立多数」で可決されるため、具体的に誰が賛成したのかがわかりづらく、「本当に多数だったのか」という疑惑が浮上することもあります。そこで、すでに参議院で導入されている押しボタン方式への変更についても議題にあがり、会長の浜田議員が「必ず平成のうちにできることだ」とまとめていました。
これらは衆議院の内部の話なので、「自分に直接は関係ない」と思う方もいるかもしれませんが、衆議院議員は有権者のみなさんが選んだ代表という立場なので、実は国民一人ひとりにとって、とても重要なことなのです。
河野外相、野党のトンデモ要求を暴露
初会合では河野太郎外務大臣も意見を述べており、「やはり、政府側の現職大臣の発言は大変重い」と感じました。特に、税金の無駄遣いに関する話は興味深かったです。
ある審議について、野党から「大臣が出席しないなら、審議にも採決にも応じない」と言われてしまい、出席のために仕方なく8000万円の費用をかけてチャーター機を用意したことがあったそうです。
「そこまでして出席した委員会での大臣への質問は、たったの2つ。1問につき数千万円ですよ。非常に非合理です」と怒っていました。
『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。