就活後ろ倒し、損/得する学生は?「学業は就活に無意味」はウソ?失敗避ける対策も
(3)中立
国家公務員と併願する学生、留学以外の理由で留年する学生
<解説>
試験時期が重複する公務員との併願者ですが、国家公務員、それも総合職(旧I種)志望であれば、その優秀さは採用担当者の間でも折り紙付き。多少面倒でも企業側はなんらかの優遇措置を検討するかもしれません。そうなると、後ろ倒しでもそれほど損はしなさそうです。
留学以外の留年生も損得勘定は中立というところでしょうか。特に就職留年の学生はゆとりがもてます。これまでは大学3年秋ごろスタート(12月移行後も同じ)→大学4年4~6月ごろに全滅→大学4年秋~冬ごろに就職留年することを決めて……と、すぐに就職スケジュールに乗る必要がありました。それが後ろ倒し移行によって1テンポずれるわけです。むしろ、一息つけることで自分のキャリアなどを色々と見直す余裕がある分、得をする、とも言えます。もちろん、就職留年はしないにこしたことはありませんが。
(4)それなりに損をする
教員と併願する学生
<解説>
国家公務員と違い教員との併願者は、教職実習の時期が説明会シーズンとなるであろう大学4年6月ごろに重複してしまいます。ずらしたとしても同9月ごろ、こちらはこちらで選考が進む時期。それに試験が同5~7月ごろなので、併願する学生は現行スケジュール以上に大変そうです。
(5)大きく損をする
大学3年3月まで就活対策がまったく手つかずで勉強もしていない
<解説>
一番損をするであろうタイプがこれ。大学3年3月に広報開始(説明会・ナビサイトオープンなど)と言っても、企業側はさまざまな抜け道を使い倒して大学3年秋ごろから実質的な広報活動を始めるに決まっています。
そういう動きをとらえず、のんびり構える学生は多いでしょう。ここで、せめて勉強をしているとか、留学に行ったとか、何かあればまだ救いようはあります。勉強といっても、先の項目でも書きましたが、そんな特別な話ではありません。ゼミの先生と話すようにするとか、ゼミ・講義に関連する文献をちょっと読むとかその程度でよいのですが、問題はその程度すらしない学生が偏差値の高低関係なく、どの大学にも一定数はいることです。
こういうタイプは確実に損をします。スタートで失敗をしますし、そこから立ち直るのに時間がかかります。これまでの就活スケジュールだと、まだ立ち直って就活を続ける余裕がありました。後ろ倒しが実現すると、その余裕がなくなります。さあ、就活を再スタートさせよう、というところで卒業式、なんて学生も相当出るでしょう。
●後ろ倒しでも気を付けたい学生へのアドバイス
<その1:SPI対策は大学3年秋から(特に文系私大生)>
就活が後ろ倒しになった以上はゆっくりしたい、という気持ちはわかります。が、SPI対策だけは早めに着手しましょう。特に文系私大生は、数学苦手。数学もパズルも得意、というならいいのですが、そうでないなら早めに着手して慣れておかないとひどい目にあいます。
現状でもSPIで人数を絞ってから説明会を開催、ないし選考に入る、という企業が増えています。後ろ倒しになると、さらにそうした企業が増えるでしょうし、SPIの重要性が高まります。
<その2:就活イベントを主催または参加>
企業側も学生主催イベントを内心では望んでいるのですから、ここはがんがん主催するほうが得をします。もし、主催するところまでは無理でも、せめて行動範囲を広げてダメ元で参加してみてください。