テレ朝アニメ『ドラえもん』放送40周年!声優が野沢雅子だった幻の1973年版とは?
あなたにとって「懐かしい」とはどんな情景でしょうか? 1970~90年代の「懐かしい」を集めたのが「ミドルエッジ」。あなたの記憶をくすぐる「懐かしい」から厳選した記事をお届けします。
今回のテーマは、ドラえもん・幻の第1作目。この春、放送開始40周年を迎え、さまざまな関連企画が展開されていく予定の国民的アニメの黎明期に、ドラえもんの声を演じた2人の有名声優を紹介していきます。
根強い、ドラえもん=大山のぶ代のイメージ
慣れとは恐ろしいもの。ルパン三世の声がクリカンこと栗田貫一で、カツオ(サザエさん)の声が冨永みーなで、いつの間にかしっくりいくようになっていったのと同様に、最初は違和感のあった水田わさびのドラえもんの声も、10年以上繰り返し耳にするうちにすっかり堂に入った感があります。
しかし、ミドルエッジ世代にとって、あくまでドラえもんの声といえば、大山のぶ代御代一択。その証拠として、仮に、宴会か何かの席で上司から「ドラえもんのモノマネやれよ」と振られたらどうでしょう。ほとんどの人が水田のハイトーンボイスではなく、大山先生のあの声で「ぼ~く~ド~ラ~え~もん」と、反射的に口にするのではないでしょうか。
そんなイメージの強いドラえもんですが、大山のぶ代が主役に登用されたのは1979年、テレビ朝日系で放送開始となった第2作・第1期から(水田版ドラえもんがスタートした2005年からは『第2作・第2期』と区分)。1973年に日本テレビ系列で放送されていた第1作目には、異なる声優が起用されていたという事実があるのですが、意外にもあまり知られていません。
ドラえもんは昔、おじさんの声だった!
1973年の第1作目では、2名の有名声優がドラえもん役を務めています。一人目は富田耕生。名前を聞いてピンとこない人でも、「『あっぱれさんま大先生』(フジテレビ系)のナレーション」や「『平成天才バカボン』のパパの声」といえばわかるのではないでしょうか。
当時37歳だった富田の声に合わせたのか、ドラえもんのキャラは今よりもかなりおじさんライク。どこかのんびりした気質で中年の哀愁を漂わせ、さらに秘密兵器を取り出す時の掛け声は「あ~らよっ!」……もしもこのまま富田がドラえもんの声優を続けていれば、今の子どもたちの人気者的ポジションを確立させられたかどうか微妙なところです。
2代目ドラえもんを務めたのは、野沢雅子!
1~13回まで担当した富田のあとを引き継いで、第1作目・ドラえもんの声を担当したのは、ドラゴンボールの孫悟空でお馴染みの野沢雅子。今では御歳82歳の大ベテランとなった彼女も、当時はまだ36~37歳。『ど根性ガエル』のひろしをやっていた頃とほぼ同時期で、若々しくハリのある声でドラえもんを演じています。
その後、日テレ版の1作目が終了し、テレ朝版の2作目が始まると、ドラえもんの声は以降26年にわたって大山のぶ代が務めることに。しかし、放送局が変われど、野沢とドラえもんの縁は切れておらず、『ドラえもん のび太の宇宙漂流記』(1999年)、『ドラえもん のび太とロボット王国』(2002年)、『ドラえもん のび太と奇跡の島 ~アニマル アドベンチャー~』(2012年)といった劇場版に時折ひょっこりと出演しています。
この連載では次回以降も皆さまの脳裏に「懐かしい」が蘇りそうな記事を提供して参ります。「こんな記事は?」「あのネタは?」なんてお声も、お待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。
(文・構成=ミドルエッジ)