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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

五輪汚職で強制捜査中なのに…安倍元首相の国葬も電通案件?カネと利権の汚い裏側

文=神澤志万/国会議員秘書
電通本社(写真:西村尚己/アフロ)
電通本社(写真:西村尚己/アフロ)

永田町の「謎」現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の高橋治之元理事の収賄疑惑について、東京地検特捜部による大規模な捜査が続けられていますね。7月26日には高橋元理事の自宅と以前の勤務先である電通本社が家宅捜索を受け、翌27日には東京都庁内にある組織委員会の清算法人と贈賄側のAOKIホールディングス・青木拡憲前会長の自宅にも家宅捜索が入りました。

 26日の朝、電通のビル近くを通りかかると、たくさんのマスコミが囲んでいるのが見えたので、「今日は高橋元理事のことで電通にも何かあるんだな」と思っていたところでした。高橋元理事が自宅から連行される様子も報道されていましたね。自宅前にも報道関係者が押しかけていたのでしょう。

 それにしても、なぜ報道関係者は家宅捜索のスケジュールを知っているんですかね。編集者さんは「検察や警察は家宅捜索の場面を撮ってほしいので、記者クラブには教えてくれますよ」と言っていましたが……。

 その後、AOKIホールディングスや広告大手のADKホールディングスにも家宅捜索が入り、4日連続の家宅捜索が行われています。

安倍元首相の国葬は強制捜査中の電通が仕切る?

 今回の贈収賄疑惑の第一報は7月20日で、そこから1週間で大規模な家宅捜索が行われていますから、検察はかなり前から捜査を進めていたということですよね。

 報道によると、青木前会長は高橋元理事に総額およそ4500万円の金銭を提供していたとされ、特捜部の任意聴取に対して金銭の提供を認めているということです。

 組織委員会は6月30日に解散していますが、関係者によると「お疲れ様会」で「強制捜査が近い」という話でもちきりだったそうで、検察の本気度を感じますね。お疲れ様会は、第一報が出る少し前に都内のビアガーデンを貸し切って行われたようです。

 それにしても、検察が動員した捜査員の人数がすごいです。都庁を訪問した都民のみなさまや都庁職員は「検察軍団」の数に驚かれたと思いますよ。小池百合子都知事は「とても残念なことです。都は組織委員会に対して、捜査に全面的に協力するよう伝えてある。これからの推移を注視していきたい」とコメントしていましたが、組織委員会の橋本聖子元会長もほぼ同じコメントでしたね。

 この件については、政界の反応は薄いです。有権者から問い合わせの電話が来ることもありますが、オリンピックはすでに終わっていますからね。国会議員が関わっている事案でもなく、票にもつながらないので、関心が薄いのでしょう。こういうところも、なかなか「国民目線」になっていないですよね。

 しかも、強制捜査中なのに、安倍晋三元首相の国葬は電通が仕切ることが報じられていますね。確かにイベントとしての葬儀を行うノウハウとスタッフを揃えているのは電通だけなのでしょうが、国民の感情を考えると微妙です。

「陸山会事件」とまったく変わらない構図?

 今回の強制捜査で思い出すのは、小沢一郎衆議院議員の資金管理団体「陸山会」をめぐる陸山会事件です。ざっくり言うと、岩手県内の建設会社から陸山会への闇献金追及のための捜査でしたが、結果的に小沢議員は逮捕されず、秘書らが逮捕されて有罪判決を受けました。この建設会社の社長は、公共事業の談合に期待して5000万円を献金したと証言しています。

 報道でしかわかりませんが、青木前会長も、お金で何でも思い通りになると思っている感じがしますね。昭和の頃はそれも通用したかもしれませんが、今はそういう時代ではありません。……と思いたいのですが、今もお金で何でも解決できると思う人と、それを利用したい人の関係は続いているということです。

 電通の専務を務めた高橋元理事は一般的な知名度こそ低いですが、オリンピック・パラリンピックのほか、サッカーワールドカップや世界陸上などのイベントではとても有名な方でした。「現代ビジネス」は「スポーツの祭典のドン」と紹介しています。

 まあ永田町には今でも「カネならいくらでも払うぞ」という電話はかかってきますし、「お金を払えば解決できます」と持ちかけて、お金だけもらう秘書もいますからね。ほとんど詐欺ですが、騙された方も悪いので黙っているのでしょう。

 高橋元理事の件にどこまで捜査のメスが入るのかはわかりませんが、「お金を払えば思い通りにできるわけではない」ことを学習していただきたいです。今は神澤の事務所でも、危機管理の一環として、契約などの作業はすべて責任者を明確にして記録していますよ。

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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