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闘うジャーナリスト・佐々木奎一がゆく! ワーキングクラスの被抑圧者たち 第三回
パン焼きオーブンでアスベスト被害「気づいてほしい」遺族の願い
認定された時の心境を西本氏は「中皮腫という聞いたことがない病気にかかり、主人は『何でやろ』とずっと言っていた。『お父さん、原因がわかったよ』と報告できてうれしかった」と語り、「主人と同じように、昔、パン職人として働いていて、定年後の今になって、症状が出て『何でやろ』と思う人は、『昔使っていたパンの釜が原因かな』と気づいてほしい。そして、その場合は、私たちが協力して申請すれば認定されやすいので、是非、『ひょうご労働安全センター』に連絡してきてほしい」と語る。
果たして日本中でパン職人の被害者は、西本氏の夫一人だけだろうか? そしてもう一つ、筆者には疑問がある。そもそもパンのオーブンでアスベスト被害があること自体、ほとんど知られていない。それはなぜか。背景を探るため、さらに取材を重ねることにした。(続く)
(文=佐々木奎一/ジャーナリスト)
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