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子ども1人にかかるコストは2000万円?「お金が子どもの数を決める」の仮説

文=江端智一
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●授業料は平均500万円

 さて次に、子どもの教育費です。

 教育費のベースとして、学校の授業料だけを計算してみました。ここには授業料のほかに入学費、施設利用料等は入っていますが、給食、通学、部活動、修学旅行、各種イベントの費用は一切入っていません。

 なぜ、このようなことをしたかというと、各種費用も教育費として、ごちゃまぜに提示しているデータ(特に保険会社)が多数散見され、過度に不安を煽って保険への加入を勧誘しているとの「悪意」を感じたほどです。

 そこで、保険会社のデータは全部破棄して、官公庁の発表データだけに基づいて授業料を再計算しました。

子ども1人にかかるコストは2000万円?「お金が子どもの数を決める」の仮説の画像5

 この結果では、「180万円から3350万円まで、各種のパターンがあります」となりますが、これでは、なんの情報もないのと同じです(保険会社の説明資料には、このパターンが多い)。このデータは、「結局、いくら必要なのか」という問いにまったく答えていません。学生数の比率を無視しているから、こんなことになるのです。

 公立と私立の学生数の比率の概算結果は、次のグラフの通りです。

子ども1人にかかるコストは2000万円?「お金が子どもの数を決める」の仮説の画像6

「お受験」などという言葉があるものの、小学校、中学校の義務教育課程では、公立の学校に通っている児童・生徒が圧倒的に多いことがわかります。義務教育を離れるにつれ、私立校への依存度が高くなっていることがわかります。

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