「1月末、韓国人の青年がトルコを経由してイスラム国に合流したようだという報道が流れました。この青年は、1月8日に同行者とトルコに向けて出国、9日にシリアとの国境が近いキリスという街に移動したあと、同行者を残してホテルから消えてしまったのです。ソウル地方警察庁の調査によると、行方不明になる直前、フェイスブックに『自分の国や家族から離れ、新しい人生を生きたい』といったコメントを残していました」(韓国の一般紙記者)
昨年3月、その青年は「Join Islamic State(イスラム国に合流せよ)」というフェイスブックのアカウントに「私はイスラム国に加わりたいが、どうすればいいのか」というコメントを残している。
「その後、9月から10月にかけてツイッターなどを通じてイスラム国関係者と接触した事実が、警察庁によって確認されました。青年の『イスラム国に入りたい』というコメントに対し、『トルコに行け』『ハッサンに連絡しろ』といった返信があったのです。それから、青年は友人に『イスラム国に加入する予定だ』とメールを送っています」(同)
その後、青年は「トルコ旅行に行きたい」と母親を説得、出国したとされているが、その経緯について前出の記者は語る。
「韓国では、領事館の許可なしに、渡航が制限されている国に行くことはできません。青年は許可を得ていないため、本当にシリアに行っていたとしたら、不法入国で旅券法により処罰されることになります」
彼は煩悶した結果、自分を尊重し、受け入れてくれる場所を求めて旅立ったのだろうか。日本でも、数人がイスラム国に加入したのではないかという報道があったが、イスラム国は若者の不満や怒りを巧妙に利用して構成員を集めているともいわれる。彼らにとって、イスラム国という組織は自己を肯定してくれる救いの手に見えるのだろうか。
(文=編集部)