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公認会計士・平林亮子と考える『あなたならどっち?』

自営業はサラリーマンより得?経費としてお金を使い実質的出費を減らせる?

文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表
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 サラリーマン家庭で育った私の発想は「アフタータックス」。まず給料(額面)から社会保険や税金が差引かれ、手取分が個人的に使えるお金だという思い込みがありました。それに対して、自営業の発想は「ビフォータックス」。まず経費としてお金を使い、それを差引いた所得に対して税金が課せられます。経費としてお金を使えば使うほど税金が少なくなり、税率によっては実質的な出費がとても少なくなるのです。自営業となって家賃(の一部)や携帯電話代(の一部)を経費とできたら、売上が下がっても実質的な収入を下げずに済む可能性だってあるのです。

サラリーマンと自営業、あなたならどっち?

 この日の友人の言葉が、私を自営業の道へ誘ったといっても過言ではありません。「私もこの(ビフォータックスの)発想で生きていきたい」と直感したのです。

 みなさんは、アフタータックスのサラリーマン、ビフォータックスの自営業、選べるとしたらどちらがいいですか?

 もちろん、自営業であっても、経費にできるのは事業のための出費に限られます。また、適用される税率が経費を使うことによる節税効果も高いのですが、税率が低ければ節税効果も低くなります。

 さらに、自分で事業をする場合、確保したい年収分の3倍を超える売り上げが必要だといわれることもあります。商品を仕入れて、店舗を構えて、販売するとなれば、仮に自分の給料を500万円確保しようという場合、1,500万円の売上が必要になるということです。そういうビジネスをするのであれば、それだけの売り上げを確保できるかという現実問題も付きまといます。

 また、サラリーマンであっても、経費として実費を集計して所得税を計算することも不可能ではありませんし、経費に相当する給与所得控除を利用することも可能です。

どんな生き方にも対応できる柔軟な価値観

 さて、私は25歳で独立してから今年で16年目に突入しますが、自営業(現在は法人にしています)を選択して良かったと思っています。お金も時間も、サラリーマン時代より自由度が高いからです。もちろん、私のような士業の場合、個人事務所をかまえるだけなら、仕入れも必要ありませんし、店舗を構える必要もありません。自宅を事務所にすれば、年収と売上とに大きな違いがないため、独立の苦労は少なかったのだと思います。

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

1975年千葉県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部地理学科出身。
企業やプロジェクトのたち上げから経営全般に至るまで、あらゆる面から経営者をサポートしている。
また、女性プロフェッショナルに関するプロジェクト「SophiaNet」プロデューサーを務めるなど、経営サポートに必要な幅広いネットワークを持つ。
さらに、中央大学商学部客員講師として大学で教壇に立つなど、学校、ビジネススクール、各種セミナーなどで講義、講演も積極的に行っている。
『決算書を楽しもう!』 『「1年続ける」勉強法―どんな試験も無理なく合格!』(共にダイヤモンド社)、『相続はおそろしい (幻冬舎新書)』(幻冬舎新書)、『1日15分! 会計最速勉強法』(フォレスト出版)、『競わない生き方』 (ワニブックスPLUS新書)、『5人の女神があなたを救う! ゼロから会社をつくる方法』(税務経理協会)など、著書多数。
合同会社アールパートナーズ

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