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深野康彦「あなたと家族と日本のための、お金の話」

マンション価格、高騰でバブル期超え…「ローン超低金利なので購入」は危険行為

文=深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー

 非課税枠が減額された背景には、17年4月からの消費税率の引き上げを前にした駆け込み需要を防ぎ、住宅の販売をなるべく平準化させるためといわれています。このため16年10月からは、消費税10%が適用される物件への非課税枠は一般住宅の場合で2500万円(省エネ等住宅は3000万円)まで大幅に拡充されるのです。拡充期間は17年9月末までの1年間となっていますが、17年10月から18年9月末までについては一般住宅で1000万円(省エネ等住宅は1500万円)まで非課税で贈与を受けることができるのです。減額されるとはいえ、16年1月~9月よりは多いのです。

 そんなに多額の贈与を受けることができる人がいるのかといわれそうですが、住宅等取得資金の贈与の非課税枠をかなりの額利用できる人にとっては、16年10月以降にマイホームを購入したほうが、仮に住宅ローン金利が少し上昇しても、また消費税が2%上がったとしても、総合的に考えれば取得価格(トータルの支払い額)を抑えることができるはずです。

 かつてのようなマイホームの買い替え双六は成り立たないのですから、住宅ローン金利など一部の状況だけに影響されるのではなく、総合的にマイホームの購入時期を考えるべきなのです。

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総合的な検討が必要

 付け加えれば、短くて二十数年、長ければ35年も住宅ローンを返済していくのです。長きにわたる返済期間には、さまざまなことが起こることでしょう。景気の悪化による収入減、あるいは収入が思ったより増えないという状況もありえるし、最悪リストラされるかもしれません。自分は大丈夫と思われるかもしれませんが、歳を重ねていけばいずれだれもがリストラ対象になることを忘れてはなりません。

 子どもがいる家庭であれば、デフレ経済下でも右肩上がりで増えていた教育費の負担は、今後も減ることは考えにくく、これまで同様増えていくことが予想されるのです。マイホームの購入に失敗は許されないのですから、総合的に考えなければならないのです。マイホームの購入はいつの時代も計画的に、かつ慎重に検討する必要があるのです。
(文=深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー)

深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー

深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー

AFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士。クレジット会社勤務を3年間経て1989年4月に独立系FP会社に入社。1996年1月に独立し、現在、有限会社ファイナンシャルリサーチ代表。テレビ・ラジオ番組などの出演、各種セミナーなどを通じて、投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。あらゆるマネー商品に精通し、わかりやすい解説に定評がある。

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