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鬼塚眞子「目を背けてはいけないお金のはなし」

“コロナ廃業”を回避!フリーランス&個人事業主のための資金援助活用完全マニュアル

文=鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表
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「Getty Images」より

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は7日、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき緊急事態宣言を発令した。人の命は何よりも優先すべきものだが、一方で経済面により大きなダメージを与える懸念も指摘されている。

「もう死活問題」と悲痛な声をあげているのが、フリーランスなど個人事業主の人たちだ。国や行政も少しずつ対策を打ち出しているが、中小企業経営者やフリーランスからの相談を多数手掛ける井出光紀税理士(ポラリス税理士法人)は、「資金繰りの相談は日に日に増えてきました」と話す。井出税理士の解説とともに、現時点で個人事業主が使える制度などを紹介したい。

 緊急事態宣言を受けて、オフィス街にある個人事業主が経営する飲食店では、早々と休業した店もある。なかには大安の4月13日開業に向け急ピッチで工事を進めていた飲食店もあった。落胆ぶりは察するにあまりある。飲食業に限らず、イベント関係、研修・セミナー、カルチャースクール、整体や鍼灸なども軒並み開店休業の状態だという。

 また、弁護士、司法書士、税理士などの士業にも個人事業主は多い。一昔前と違って、今や士業も熱心に営業活動を行わないと新規案件につながらない。弁護士事務所のなかには、期日取消等の一部業務を縮小する裁判所に従い、週休4日のところも出てきた。

 芸能関係者やモデル、メイク、カメラマン、スタイリスト、編集者、ライターなどのフリーランスで仕事を請け負う人は、イベント・撮影や取材の中止が相次ぐ。「会社員からすれば華やかな世界と思う人もいるみたいだが、しょせん日給月給。廃業する人もこれから出てくると思う」と落胆する声があがる。

 緊急事態宣言は5月6日までだが、新型コロナウイルスにはまだ確立した治療方法がないだけに、この日を境に感染者数がダウンする保証はどこにもない。「今までは仲間が集まれば夢を語り合っていたが、今じゃ資金繰りの話ばかり。今月と来月はなんとかなるが、それ以上続けば持ちこたえられない」と、もはや事業クローズを視野に入れている人もいる。国や行政は、個人事業主やフリーランスにどんな支援制度を準備しているのだろうか。

【上限100万円の給付】

・対象:フリーランスを含む個人事業主を対象に前年度の事業収入からの減少額を給付する。1カ月でも収入が半減していれば対象

・給付金:上限100万円の範囲内で、7日に発表されたばかりで、これから手続きなどの詳細が判明する。

・手続き:原則電子申請。可能な限り簡便な手続きにする予定で、電子申請が困難な方には全国の商工会議所でも対応できるようにしていく。

【緊急小口資金等の特例措置 休業者向け】

・対象:新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯。ただし、他都道府県社会福祉協議会で今回の特例貸付をすでに受けている世帯は対象外。

・貸付額:20万円以内(一括交付)

・据置期間:1年以内

・返済期間:2年以内(24回以内)

※返済(償還)の猶予や免除を申請することも可能

・連帯保証人:不要

・利子:無利子

・申込先:居住地域の市区町村社会福祉協議会

【総合支援資金 生活支援費の特例貸付 失業者向け】

・対象:新型コロナウイルス感染症の影響を受け、収入の減少や失業などにより生活に困窮し、日常生活の維持が困難になっている世帯。ただし、他都道府県社会福祉協議会で今回の特例貸付をすでに受けている世帯は対象外。

・貸付額:二人以上世帯 月額20万円以内

     単身世帯   月額15万円以内

・貸付金交付:申請から交付まで、最短20日

・貸付期間:原則3カ月以内

・据置期間:1年以内

・返済期間:10年以内(120回以内)

※返済(償還)の猶予や免除を申請することも可能

・連帯保証人:不要

・利子:無利子

・申込先:居住地域の市区町村社会福祉協議会

 覚えておきたいのは、緊急小口資金と総合支援資金は併用利用が可能ではあるが、貸付金の送金が同月にできないケースもあるので、申し込みの際にはしっかり確認しておきたい。また、休業状態、廃業時と2段階で申請が必要。

【新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金】

・対象:新型コロナウイルス感染症のために臨時休業等をした小学校等に通う子ども、あるいは新型コロナウイルスに感染または新型コロナウイルスに感染したおそれのある小学校等に通う子ども、発熱などにより新型コロナに感染したおそれのある子どもを持つ保護者

・対象となる学校:小学校、義務教育学校の前期課程、各種学校、特別支援学校、放課後児童クラブ、幼稚園、保育所、認定こども園など

・対象保護者:親権者、未成年後見人、里親、祖父母など、子どもを現に監督されている方

・支給額:就業できなかった日は1日あたり4,100円(定額)

・申請者:本人が申請

・申請期間:3月18日~6月30日まで

・申請書の提出先:学校等休業助成金・支援金受付センター(0120-60-3999)。受付時間9時~21時(土日・祝日含む)

 申請書は厚生労働省のウェブサイトからダウンロードできる。支給要領は一般の方には複雑なので、申請書類の書き方も含め、少しでも不明な点は問い合わせることをオススメ。ただ、問い合わせが殺到しているようで、電話はなかなかつながらない。

【緊急経済対策案】

・対象:令和2年2月から6月の間のいずれかの月の世帯主の月収が、コロナウイルス感染が発生する前と比べて減少し、住民税が非課税となる世帯の水準まで落ち込んだ世帯、月収が50%以上減少し、住民税が非課税となる水準の2倍以下となる世帯

・支給額:1世帯あたり30万円の現金給付

・申請方法:収入の状況を証明する書類などとともに市町村にみずから申告する

 概要が決定したばかりなので、実際の詳細はこれからというところだ。とはいえ、対象の要件を見ただけで、どれぐらいの人が、「我が家は該当する・該当しない」とわかるのだろうか。世帯主だけを対象としていることに不満の声も多い。

【新型コロナウイルス感染症特別貸付】

・対象者:フリーランス含む個人事業主

・融資の上限額:6,000万円(一部対象者は下記「特別利子補給制度」により3,000万円以内実質無利子)など各種メニューあり

・利用目的:設備資金および運転資金

・利率:3,000万円以下は融資後3年目までは基準利率(災害)-0.9%、4年目以降は基準利率(災害)、3,000万円以上は基準利率(災害)

※基準利率 国民事業1.36%~1.65%

・返済期間:設備資金20年以内(うち措置期間5年以内)、運転資金15年以内(うち措置期間5年以内)

・担保:無担保

・申請手続:日本政策金融公庫(国民生活事業)などへの相談(事業資金相談ダイヤル 平日9時~19時:0120-154-505)

・実施機関:日本政策金融公庫など政府系金融機関

【特別利子補給制度】

・対象者:新型コロナウイルス感染症特別貸付を受けている方で、個人事業主やフリーランスは要件なし

・融資限度額:特別貸付の融資限度額のうち、3,000万円以下の部分

・返済期間:当初3年間

・利率:新型コロナウイルス感染症特別貸付の融資限度額の部分にかかる「基準(災害)-0.9%」の利子(支払い利息)

※一旦公庫に返済後、支払い済み利子額を実施機関から補給。当初3年間は実質的に無利子で利用できる。

・実施期間:現時点では未定

【マル経融資(小規模事業者経営改善資金)別枠】

・利用者:新型コロナウイルス感染症の影響により、最近1カ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している方。ただし、商工会議所、商工会または都道府県商工会連合会の実施する経営指導を受けており、商工会議所等の長の推薦が必要

・限度額:通常のご融資額 + 別枠1,000万円

・利率:当初3年間…特別利率F - 0.9%(別枠の1,000万円以内)(※)
4年目以降…特別利率F
(※注)「特別利率F-0.9%」の適用限度額は、新型コロナウイルス感染症特別貸付における「基準利率-0.9%」の適用限度額に含まれる。

・返済期間:設備資金10年以内(4年措置以内は別枠の1,000万円以内)

運転資金 7年以内(3年措置以内は別枠の1,000万円以内)

 マル経融資(小規模事業者経営改善資金)を借りていても、借りていなくても申し込むことができる

【新型コロナウイルス感染症対応緊急借換 東京都】

 借換というだけあって、すでに保証協会の保障付融資を受けている事業者が対象。個人事業主も対象だ。井出税理士は「実際、顧問先にも勧めている。コロナ対策の融資は既存の融資枠とは別枠のため、借り換えると通常の融資枠を開けた(=使っていない)ことになる。今、切迫していなくても、既存の融資をコロナ枠に移せることになるので、顧問先からは喜んでいただいている」と話す。

・個人事業主も対象

・資金使途:運転資金

※借換の対象は既往の保証協会の保障付き融資

・融資限度:2億8000万円

※既往の保証協会の保障付き融資に、この融資に係る諸費用を加えた額の範囲内

・融資危機案:運転資金 10年以内(据置期間2年以内を含む)

・融資利率:固定金利

      融資期間 3年以内     1.7%以内

           3年超5年以内  1.8%以内

           5年超7年以内  2.0%以内

           7年超10年以内  2.2%以内 

※責任共有制度の対象外となる場合、上記より利率は若干低くなっている

・返済方法:分割返済は元金据え置き期間は運転資金2年以内。ただし、融資期間が1年以内の場合は一括返済できる

・融資形式:証書貸付または手形貸付

・信用保証料:保証協会の定めるところによる(原則東京都が全額補助)

・保証人:原則、法人代表者を除き、連帯保証人は不要

・担保:この融資の保証を含めて保証合計残高が8,000万円以下の場合は原則、無担保

・申込先:東京都産業労働局金融部金融課

【特定中小企業者対策資金 船橋市独自】

 すべての地方行政を調査したわけではありませんが、収入が下がった人の支援を行っている地方自治体もあります。

・資金名:セーフティネット保証4号認定によるものに限る

・融資限度額:2,000万円以内(無担保)

・資金使途:運転資金

・利子補給:3年以内の借り入れで通常2.1%以内の融資利率分の負担を市が全額補助

・信用保証料補給:通常0.8%以内の信用保証料の負担を市が全額補助

・補助の方法:年に1度、申請に基づき補助(申請がない場合は補助されない)

・日本政策金融公庫の「中小・小規模事業者無利子・無担保融資」と併用が可能。

【納税猶予制度の特例】

 7日に決定したばかりの特例で詳細はこれからだ。

・対象者:(1)新型コロナウイルスの影響により、令和2年2 ⽉以降の任意の期間(1カ月以上)において、事業等に係る収入が前年同期に比べて概ね20%以上減少していること。(2)一時に納税を行なうことが困難であること

※「一時に納税を行なうことが困難」かどうかの判断については、少なくとも向こう半年間の事業資金を考慮に入れるなど、申請される方の置かれた状況を配慮し対応する。

・対象となる国税:令和2年2月1日から同3年1月31日までに納期限が到来する所得税、法人税、消費税などほぼすべての税目(印紙で納めるモノなどを除く)。すでに納期限が過ぎている未納の国税(他の猶予を受けているものを含む)についても、遡ってこの特例を利用できる。

・問い合わせ先:所轄の税務署(徴収担当)

 個人事業主やフリーランスの方は「なすすべもないのか」と嘆かれているかもしれない。しかし、こうしてみると意外と補償があることがわかる。井出税理士は「制度自体がまだまだ手探りのものが多いため、公表されている条件に自身の状況が合致していなくても、一旦各機関に問い合わせてみることが大事。今回の事態について国は、かなり柔軟に対応してくれる姿勢だと考えられます」と話す。

 地方自治体以外にも、独自のサポートを検討している地域の商工会議所や法人会、社会福祉協議会もあるかもしれない。悩んでいるだけでは何も解決しない。同じ砕けるなら、当ってみてからだ。支え合う仲間も見つかるかもしれない。挫けず、腐らず、心の眼を曇らせず、1ミリでも前進する気持ちは失わずにいたい。 

(文=鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表)

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

出版社勤務後、出産を機に専業主婦に。10年間のブランク後、保険会社のカスタマーサービス職員になるも、両足のケガを機に退職。業界紙の記者に転職。その後、保険ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナーとして独立。両親の遠距離介護をきっかけに(社)介護相続コンシェルジュを設立。企業の従業員の生活や人生にかかるセミナーや相談業務を担当。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで活躍
介護相続コンシェルジュ協会HP

Twitter:@kscegao

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