住宅ローン、返済額より「もらえるお金」多くてトクする異常事態!活用しない手はない!
デンマークでは一部の優良顧客に対して、住宅ローンのマイナス金利が適用されているそうです。通常、住宅ローンを借りれば元金返済とともに利息を負担しなければなりません。それに対してマイナス金利というのは、元金の返済は必要ですが、利息の負担はなく、むしろ手数料を受け取れることになります。ですから、実質的には借りたお金より少ない返済額ですむということです。
デンマークではごく一部の人しか適用されないこのマイナス金利、実は日本では誰でも享受できる環境になっているのです。どういうことなのでしょうか――。
住宅ローンはかつてない低水準に
2016年8月の住宅ローン金利は、民間の変動金利型なら0.4%台から0.6%台で利用でき、固定期間選択型の10年固定で0.5%から0.7%、フラット35のような全期間固定金利型でも、図表1にあるように0.8%台から0.9%台で利用できます。
筆者は不動産分野で30年以上取材や原稿制作に携わってきましたが、まさか0%台の金利が実現するなどまったく想定したことがありませんでした。かつてない、というかこの時期をはずしたら、もう二度とはやってこないお化けのような金利といっていいでしょう。
なぜ実質金利がマイナスになるのか
これだけ金利が下がっている上に、住宅ローン減税が実施されています。一般の住宅で住宅ローンの年末残高4000万円まで、長期優良住宅・低炭素住宅の認定を受けた住宅なら5000万円までの1%が税金から控除されるのです。会社員なら支払っている所得税が還付され、翌年の住民税負担が軽減されます。確定申告している人は、支払うべき税額が少なくなったり、ゼロになったりします。
単純に考えても、住宅ローンの金利が1%以下で、ローン減税が1%なら差し引きすればプラスになります。実質的な金利負担はゼロ以下、マイナスになるということです。
0.9%の金利なら10年の利息負担は約302万円
ここでは計算に問題が発生しないように、全期間固定金利型のフラット35の例で試算します。変動金利型などではもっと低い金利があるのですが、金利情勢によっては途中で適用金利、返済額が変わる可能性があるので確実な数字がはじき出せないためです。