急な出費でも全然困らず、ラクにお金を貯める人の習慣…貯めているのに貯まらない原因
健全なマネーマネジメントとは
このように、取り分けがあると、貯金を途中で崩さなくてすむので、将来のために着実に貯めることができる。これこそが健全なマネーマネジメント。これをシステム化すれば、普通預金口座のお金は全額、生活費として使っていいことになる。とても自由だ。
生活費は自由に使っていい。健康を害さない限りは、自分の満足度を最大限にするように使いたい。ファッションが好きな人はファッションに、旅行が好きな人は旅行に、食べ歩きが好きな人はグルメに。健康を害さない限り、というのは、趣味の車にお金をつぎ込むあまり食費がなくなるとか、お酒が好きな人が飲みすぎる、というのは健全ではないからだ。
このやり方で私は、ある時期は趣味のヨットにのめり込み、ある時は海外旅行に凝り、あるときは勉強のためにお金をつぎ込んだ。でも、将来のための貯金と、取り分けをきちんとやっておいたので、起業の資金、それほどかけなかったが結婚の資金、家の購入資金などを準備することができた。
20%以上は貯めすぎ
貯金を給料の30%以上している人もいる。留学のためとか出産までとか、何かはっきりとした目的があって貯金をがんばるのはいいが、「将来が不安だから」と励みすぎるのは健全ではない。お金は使うためにある。今の人生を充実させて、いろいろなことを体験することが、結果として、自分と家族の将来を豊かにする。20~30代から将来や老後を心配して貯めすぎるのは、いまを本当には生きていない、ことだと思う。そんなつまらない人生はやめよう。
「いや、特別やりたいこともないし……」という人には、募金やさまざまなNPOの働きをサポートするための資金援助をお勧めしたい。使う予定のない月1万円、口座の100万円を、数十年後の老後まで銀行預金として眠らせておく代わりに、貧しい国の子どもたちが学校にいくのをサポートしたり、難民の人たちの定住を応援したり、地震で被害を受けた地域を援助するのに生かして使うことができる。お金を眠らせるのも、生かすのもあなた次第だ。
お金との健全な付き合いは、貯めるだけじゃない。生かして使うことも考えよう。これについては、またの機会に紹介したい。
(文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー)
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