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――老後の収入確保策として、「リバースモーゲージ」(自宅を担保に金融機関から融資を受ける制度)の活用は有効ですか。
荻原 あまり有効ではありません。たとえば、60歳でリバースモーゲージを借りた場合、「人生100年時代」では残り40年ですから、銀行は40年後に回収する計算をします。
今売れば1億円の家でも、40年後に回収するとなればいろいろなリスクを織り込まなければなりません。おそらく、1億円の家でもリバースモーゲージで貸してもらえるのは2000万円ぐらいではないでしょうか。そう考えると得策ではないでしょう。
リバースモーゲージは商品設計の発想はいいのですが、融資する銀行にとっては不確定要素が多いので、査定してもらうと「え、これしかないの?」という金額になってしまいます。中古マンションなども二束三文です。リバースモーゲージを利用するぐらいなら、すぐに売って小さな家に引っ越したほうがいいですよ。
――リバースモーゲージは、欧米では普及していますよね。
荻原 日本では住めば住むほど家の価値が下がりますが、欧米では住めば住むほど家の価値が上がるからです。つまり、日本の場合は「この家は40年後にいくらの値がつくのか?」という査定になり、家によっては廃屋同然の評価になってしまうのです。
――ところで、日本経済がデフレから脱却できる可能性はありますか。
荻原 まず無理でしょう。日銀総裁に黒田東彦氏が再任されましたが、これで安倍晋三政権が続く限りは日銀の低金利政策が続くことが確定的になりました。おそらく、20年の東京オリンピックまでは確実でしょう。デフレが続くからこそ、借金を減らして現金を増やすことが大切なのです。
(構成=小野貴史/経済ジャーナリスト)
『老前破産 年金支給70歳時代のお金サバイバル』 給料が上がらない、ローンが終わらない、子どもの将来が見えない、残業カットに増税、年金支給は先送り――ああ、お先真っ暗!「老後破産」などまだ“マシ”だ。「65歳まで働けばなんとかなる」「退職金で借金は帳消しにできる」「家を売れば老人ホームに入れる」こうした従来の“常識”はもう通用しない。やってみれば怖くない、家計立て直しの全て。
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