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住宅ジャーナリスト・山下和之の目

首都圏で無理なくマンションを買う人たちの方法…ローン返済額は年収の20%なら余裕!

文=山下和之/住宅ジャーナリスト

 なかでも、最も多いとみられるのが共働きによる収入のアップです。総務省統計局の「平成29年就業構造基本調査」によると、15歳以上の国民の有業率は59.7%で、男性は69.2%、女性は50.7%でした。少し前までは、女性は結婚時や出産時に離職、子離れしたあとに復職するのが当たり前でした。そのため、20代後半から30代後半の有業率が急低下、40代から再び上昇するため、年代別の有業率をグラフ化すると鮮明なM字カーブを描いていました。

 それが、図表1にあるように、年々解消されつつあります。早晩、M字の中央部分の落ち込みがなくなって、フラットな台形になるのではないでしょうか。

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共働きで世帯年収が増加して年収倍率引き下げ

 共働きで女性の年収が増えれば、世帯年収は大幅にアップします。東京都で新築マンションを買う例をみると、70平方m換算の平均価格は7265万円で、平均年収634万円ですから、年収倍率は11.46倍ですが、これが、配偶者の年収がパートなどで100万円あったとしたら、世帯年収は734万円で年収倍率は9.90倍と10倍を切ります。

 出産・育児休業などを取得して、正規社員として働き続ければ、夫の年収に負けないぐらい稼いでいるのではないでしょうか。場合によっては、夫以上かもしれません。

 仮に夫と同じくらいの年収を得ているとすれば夫婦合わせて1300万円近い年収になります。そうなると、年収倍率は5倍程度に下がって、まったく無理のない資金計画でマンションを取得できるようになります。

 実際、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して実施している住宅ローン、フラット35を利用してマイホームを取得した人たちを対象とする「平成29年度フラット35利用者調査」では、図表2にあるように全国の新築マンションの取得額の平均は4348.4万円で、年収倍率は6.9倍でした。先の東京カンテイの全国平均の年収倍率7.59倍を下回っています。 

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首都圏でも新築マンションの年収倍率は7.3倍に

 首都圏だけでみても、図表3にあるように、新築マンションの平均価格は4787万円で、年収倍率は7.3倍です。こちらは、東京カンテイ調査の年収倍率10.68倍を大きく下回っています。なぜこんなに違っているのでしょうか。

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