今すぐ火災保険の内容を確認しなさい!自然災害も破損も盗難も補償範囲になってますか?
今年は本当に自然災害に悩まされる年のようだ。
6月のM6.1の大阪北部地震に7月の西日本豪雨、9月の台風21号とM6.7の北海道胆振東部地震。酷暑も相当なものがあった。今回は、そんな自然災害に備えるために知っておきたい火災保険に関する知識をまとめてみよう。
火災保険は“万能保険”?
さて、突然だが、損害保険に関する問題を一つ。
以下の3つのケースのうち、「火災保険」で補償されるものはどれか?
(1)自宅の掃除中にうっかり液晶テレビを倒して壊してしまった。
(2)マンションのトイレの排水管が詰まって水浸しになった。
(3)自宅の軒下に置いていた自転車が盗難にあった。
正解は「(1)~(3)のすべてが補償される」だ。まず(1)については、故意に破損あるいは重大な過失がある場合を除き補償されるし、(2)については、水漏れに該当するので、マンションの階下の被害に対する損害賠償として保険金が出る(階下の住人は、自分が加入している火災保険に請求も可)。そして(3)については、保険会社によって、軒下やカーポートなど建物内に保管されているものに限る等の条件が付加されている場合もあるが、基本的に補償の対象だ。
ちなみに、自転車を補償するといえば「自転車保険では?」と思うだろうが、一般的な自転車保険は、事故を起こした場合の被害者への損害賠償や、自分自身のケガ、自転車自体の破損等といったものを補償する。盗難は対象外となる点は注意しておこう。
実は、火災保険は火災に備えるだけでなく、さまざまな特約が用意されていて、工夫次第では日常的なリスクに備える“万能保険”にもなるのだ。
基本的に保険は3つの分野に分類できる
まず、FPテキスト的に言うと、保険は3つに分類できる。
ヒトに関するリスクに備える「生命保険」、続いて、ヒトもしくはモノのリスクに備える「損害保険」、そして、生命保険を第一分野、損害保険を第二分野とも呼ぶことから、医療・介護など生保・損保いずれにも該当しないリスクに備えるのが「第三分野」の保険だ。第三分野は生保・損保会社のいずれも取り扱いが可能となっている。
お客さまから保険の加入や見直しなどのご相談を受けると、この3つを混同している方が非常に多いことに驚かされる。もともと「保険は難しいもの」と苦手意識を持つ方が少なくないのだが、終身保険や定期保険といった生命保険や、マイカー所有者なら自動車保険などについては、身近に感じられるのか、ある程度の知識があっても、それ以外の損害保険となると、まったくお手上げ状態らしい。火災保険は、そんな損害保険の代表的商品の一つだ。