QRコード決済が普及し、乱立していた多くのサービスも事実上の淘汰が進んでいる。生き残ったサービスは第2次サバイバル戦の様相を呈しており、ユーザーの囲い込みもより熾烈なものとなっているようだ。
その中心的な存在なのは、大規模なキャンペーンを駆使するPayPayである。しかし、肝心の還元率は徐々に低下しており、他サービスと比較してもダントツにお得とはいえなくなってきている。
そんななか、にわかに存在感を増しているのは楽天ペイだ。今回はPayPayが展開中の大型キャンペーン「超PayPay祭」の詳細と、トップの座を虎視眈々と狙う楽天ペイのお得な使い方を解説する。
楽天ペイの還元率最大化は超簡単
PayPayは、条件をクリアすることで還元率が上がる「PayPayステップ」の内容を今年の7月から改変した。これにより、最大1.5%の還元率を達成することが従来よりも非常に難しくなり、一部では改悪と揶揄されるありさまだ。
現在のPayPayでは、基本還元率0.5%をベースとし、「300円以上の決済回数30回および決済金額5万円以上」で0.5%加算、そしてYahoo!プレミアム会員登録などを行うと0.5%加算となる。このように、非常に多くのステップを踏まなければ、最大1.5%還元を受けられなくなった。
対して、楽天ペイは簡潔な手段で1.5%還元が受けられる。基本還元率0.5%に楽天カードでチャージするだけで1%が追加され、1.5%還元となるのだ。楽天銀行からのチャージなどでは合計1%の還元とやや下がるが、PayPayほどの複雑さはない。
さらに楽天ポイント加盟店であれば、カード提示で0.5~1%の楽天ポイントが付与されるので、いわゆる「ポイント2重取り」が発動し、合計最大2.5%の還元が可能になる。また、楽天ペイ加盟店数は500万カ所、楽天ポイントカード加盟店は50万店舗以上と利用できる場所の数はPayPayをも凌ぐ。ステップが達成できずPayPayでお得さを感じなくなった人は、ここで楽天ペイへの乗り換えを検討してもいいかもしれない。
楽天は来年秋まで全額還元キャンペーン実施
楽天ペイは、PayPayに負けず劣らずな魅力的なキャンペーンを展開中。10月31日まではドトールグループで楽天ペイを利用すれば抽選で200ポイントが当たるなど、特定の店舗でお得なキャンペーンが随時開催されている。
そして10月からは「1年間ずーっと!毎月全額還元抽選キャンペーン」という大型抽選企画が開始されており、抽選で500人が毎月の利用料金(上限1万ポイント)が還元されるというものだ。どのキャンペーンも抽選というハードルがあるが、期待値で計算してもかなりお得。楽天ペイユーザーは必ずエントリーしてほしい。
11月からは「楽天ペイチャンス」と題し、ケンタッキーフライドチキンでの支払いを抽選で全額還元するキャンペーンがスタート。こちらは1等が還元率100%、2等50%、3等1%となっているが、3回に1回の確率で当たるというので、KFC好きはぜひチャンレンジしてみてはいかがだろうか。
また10月22日から11月21日までは「行けば行くほどポイントアップ!楽天ポイントカード グルメマラソン」が開催。対象の2外食企業以上で楽天ポイントカードを提示した人が対象であり、最大10企業の利用で付与ポイントが10倍となる。楽天ポイントカードがメインのキャンペーンではあるが、楽天ペイユーザーにもうまみはある。
このキャンペーンで決済を楽天ペイで行った場合は抽選で還元率が倍増し、最大合計30倍のポイントを受けることができるのだ。参加加盟店は吉野家、くら寿司、幸楽苑、銀だこ、大戸屋など普段使いできる飲食店が多い。このキャンペーンに参加する人は、ぜひ楽天ペイでの決済をおすすめしたい。
このように楽天ペイはQRコード決済に限らず、楽天ポイントカードとの連携で多くのポイントを稼ぐことが可能だ。この強みはPayPayにはないため、楽天経済圏に入っていれば、かなりお得に過ごすことができるのだ。
超PayPay祭のお得さはいまだ健在
王者PayPayも、キャンペーンでは攻めの姿勢は崩さない。現在、開催中の「超PayPay祭」では、最大10%還元のクーポンが多数配布されている。スターバックスや松屋は10%クーポン、ドトール、ローソンでは5%クーポンなどが配布されているので、この機会を逃さずに利用してほしい。
ちなみにグルメだけではなく、スギ薬局やJINS、洋服の青山、そごう・西武などでも使えるクーポンが多数ラインアップ。また、ソフトバンク携帯ユーザー限定のクーポンも見逃せない。こちらは最大で利用料金の半額のPayPayボーナスが戻ってくるという破格のキャンペーンで、ガスト、松屋、ローソン、デニーズを対象としたクーポンが配布されている。ソフトバンクユーザーなら、利用しないと損だ。
このほかにもネットショップ「PayPayモール」でも10%以上の還元が受けられたり、テイクアウトサービス「PayPayピックアップ」で注文すると最大10%還元が11月28日まで受けられるなど、普通にお店で使う以外の用途でもお得なキャンペーンが多数用意されている。
運営側が出血サービスで競うほど、ユーザー側がお得になるという図式は、まさにPay黎明期の再来。この傾向はしばらく続くと思われるので、両者のいいとこ取りをして、お得に買い物を楽しんでほしい。
(取材・文=清談社)