家にいる時間が増え、さらにコロナ対策として部屋の空気を入れ替えることも増えた今、「電気代がかさんでいるな……」と感じる人も多いのでは?
とはいっても、「こまめに電気を切るのは面倒だし……」「エアコンを我慢するのはつらいし……」と思う方もいるでしょう。実はもっと簡単に、生活を何も変えずに、電気代を減らせることをご存じでしょうか。
年1~2万円ほど安くなるケースも
以前から契約している電力会社を、ずっとそのままにしている人も多いでしょう。2016年からの「電力の自由化」によって、それまではエリアごとに決まっていた電力会社を自由に選べるようになりました。
生活を何も変えずに電気代を安くできる方法は、自分に合った電力会社やプランに乗り替えること。年に1~2万円ほど安くなるケースも多々あります。
電力会社を乗り替えると、「よく知らない会社だけれど、電気がチラついたりしない?」「大手会社でないなら、急に停電になったりする?」と心配になる方も多いと思います。でも、基本的に電気の使い勝手や安全性はほぼ変わりません。また、申し込みもネットでできるところがほとんどで、思っている以上に簡単です。
筆者も数年前に電力会社を乗り替えましたが、当初思っていた不安が一気に吹き飛ぶほど、手続きが簡単で拍子抜けしました。その後も特に問題は感じていませんし、何より電気代が少し安くなったことがうれしいです。
特に電気代はずっとかかりつづける支出なので、一度見直すと、その後の節約効果は絶大。「乗り替えるって面倒だな……」と思うかもしれませんが、ぜひ手続きにトライしてみてください。
「比較サイト」で簡単に乗り替え可能
では、電力会社を乗り替えるには、どうしたらいいのでしょうか。
おすすめは「比較サイト」を使うことです。主な比較サイトには「エネチェンジ」「価格.com」「電気料金比較」「新電力比較サイト」などが挙げられます。
たとえば、「エネチェンジ」の場合は、サイト上で居住地域や在宅状況、世帯人数のほかに、現在の電気使用量などを入力するだけで、さまざまな電力会社を比較できます。
節約度の高い順番で電力会社の候補が出てくるので、料金やサービス、会社の取り組み、ポイント制度などの内容を確認して、そのままサイト上で申し込むだけで、乗り替え手続きはOK。
申し込み後、1カ月前後で新しい電力会社に乗り替えができます。電力メーター(スマートメーター)の設置が必要になる場合がありますが、その際も費用はかからず、基本的に立ち会いの必要もありません。意外とあっという間で、拍子抜けすると思います。
ぜひ一度、比較サイトで「うちの場合はどれくらい安くなるのかな?」とチェックしてみてください。思った以上に節約になるとわかれば、「よし、乗り替えてみよう」と思うはずです。
「中途解約手数料」に要注意
時期によっては、比較サイトや電力会社がキャンペーンを行っている場合があります。キャッシュバックや契約後数カ月間の割引などが挙げられます。
また、電力会社によっては、TポイントやPontaポイントなどのポイントが付く場合もあり、ポイ活をしている人は、自分が好きなポイントが貯まるかどうかを見てみてもいいでしょう。
ただし、気を付けたい点が「中途解約手数料」の有無です。1年または2年以内に解約すると、中途解約手数料として2000円かかるといったケースもあります。中途解約手数料の有無や条件を、よく確認した上で申し込みましょう。
賃貸マンションでも大丈夫?
電力会社の乗り替えは、持ち家だけでなく、基本的には賃貸物件でも、マンションやアパートなどの集合住宅でも可能です。電力会社と入居者とが個別に契約していれば、その契約を変えるという形で乗り替えることができます。
ただし、建物全体で電力会社と契約している場合はNGなので、お住まいのケースがわからない場合は、管理会社などに確認してみてください。
また、電力会社を乗り替える場合に、今使っている電力会社への連絡は不要です。そのため「うちの会社をやめないでくださいよ」といった引き留めにあうこともありませんので、その点は心配ご無用です。
ぜひいろいろ比較してみて、ご家族とお住まいの方はご家族でご一緒に考えて、使い方に合った電力会社やプランを見つけてみてください。電気代が自然に減れば、その分、自然にお金も貯まるようになるはずです。
(文=西山美紀/マネーコラムニスト)