「仮にこの銘柄が買われたら、次に買われる可能性が高い銘柄は何か?」
「この銘柄はどんな材料テーマの銘柄か? あっ、震災復興関連で増配計画の銘柄か。なら、これが買われたら、相場の流れは震災復興関連の増配計画銘柄になるかもしれないから、調べておこう」
など相場の流れ、トレンドの予測の題材まで活用することです。
パレートの法則
50年以上生きてきますと、「パレートの法則」というものが実感としてわかってきます。これは80:20の法則、8:2の法則ともいわれますが、イタリアの経済学者・パレートが、19世紀のイギリスにおける所得と資産分布を調査したところ、20%の富裕層にイギリス全体の資産総額の80%が集中し、この傾向は継続していると発見したことから生まれたもので、世の中の8割の現象は2割の原因によってもたらされるという法則です。その後、売り上げの8割は全顧客の2割(全製品の2割)で稼いでいる、10人の営業マンのうち2人だけで8割の売り上げを稼いでいるなど、さまざまなバリエーションが出ています。
厳密にはちょっと違っているかもしれませんが、8:2の法則もぴんときます(多少の誤差はあるでしょうが……)。例えば若い頃、「自分のやりたいこと、好きなことをやりなさい」と言われたことがあると思いますが、どんな時代でも「やりたいことがわからない人:やりたいことがある人=8:2」ではないでしょうか?
「楽をして儲けたい人:自らの力で道を開こうとする人=8:2」
=「満足感のない人生を送る人:満足感のある人生を送る人=8:2」
のような気がしますし、相場の世界では、
「楽をして儲けたい人:自らの力で道を開こうとする=8:2」
=「損する人:儲ける人=8:2」
もしくは
「だまされる人:だます人=8:2」
なんていう怖い話になりかねません。少なくとも、皆さんには儲ける側の2割になってほしいのです。
相場は親切
これまでの連載で書いてきたように、相場は意外と親切です。きちんと上昇トレンドか、下降トレンドか、もみ合いトレンドか、トレンドをはっきり教えてくれます。物色の流れもきちんと教えてくれます。相場はトータルでプラスにする世界です。相場のトレンド、流れに合わせて勝つ確率の高いときに出動して、トータルでプラスにする。情報は、あくまでその相場に合わせるための駒として使うべきものです。
先ほど触れたKさんは、僕がこの業界に入った82年よりも前から相場で活躍してきた方ですが、常に相場に出てきているわけではありません。相場のトレンド、流れを見て、勝つ確率が高いときに出動されているのではないかと推察しています。