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この話を聞いていると、現在改革派として注目されているこの社長もパワーのみで人を動かそうとしているようだ。本人も気づいているかもしれないが、周りはそろそろ冷め始め、「パワーハラスメント」に戦いている。前出の関係者は続ける。
「創業者以外の(同社の歴代)サラリーマン社長は皆そうでした。就任2年目、3年目あたりから急に態度が大きくなってくる。周りがそうさせているのかもしれませんが、その結果、暴走し始める。制御できる優秀なNo.2がいればいいのですが、権力を手中に収めたトップは意地を捨てられず、まちがった投資も止められなくなってしまう」
このような社長の場合、事業が好調なときはマスコミがちやほやしていても、いざ失敗すると、溺れかかった犬を突き落とすかのように叩き始める。そのネタ元(発信者)は、多くの場合「しようがない」と思いつつサラリーマンを務めている影の抵抗勢力であることを社長はお忘れなく。ともあれ、トップのパワーハラスメントは、今後の大きな経営テーマになってくることだろう。稲盛和夫氏(京セラ創業者)が苦言を呈する。
「最近の謙虚さを忘れた社長さんたちを見ているとハラハラしますね」
(文=長田貴仁/岡山商科大学教授(経営学部長)、神戸大学経済経営研究所リサーチフェロー)
【註1】1965年春、純利益が急激に減少。減配に次ぐ減配で苦境にあった東芝を改革するため、石川島播磨重工業(現IHI)から乗り込んできた土光敏夫氏が改革の指針としたのが、「現場めぐり」「組織に活力を与える機構変革」「チャレンジ・レスポンスの浸透による社員の意識改革」の3つ。近年、東芝では「チャレンジ」がまったく異なる意味で使われていた。
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