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本書によると、彼らの思考パターンは一般的に「味方以外は全員敵」という二元論に基づいているという。ISを例に出すならば、欧米諸国のように明確に敵対している国だけでなく、自分たちに協調していない国もまた「敵」だということだ。だとすると、ISに限らずイスラム過激派の標的から日本が外れる理由はまったくない。
そもそも、日本は軍事行動にこそ参加していないが、「対テロ戦争」において中立ではなく、アメリカ寄りの立場を取っている。ISが成長した大きな要因として挙げられる「イラク戦争」にしても、日本はアメリカと足並みを揃える形で支持する姿勢を示した。当時、アルカイダの指導者だったオサマ・ビン・ラディンはイラク戦争を支持した国への報復を宣言し、その対象として日本も名指しされた。
イスラム圏の人々の日本への感情は良好だという声もあるが、イスラム過激派に限っていえば、日本も日本人も明らかに敵なのだ。
『イスラム敵の論理味方の理由―これからどうなる73の問題』には、イスラムの信仰や歴史、中東情勢、そしてイスラム過激派など、今世界の大きな潮流となっている「イスラム」について、予備知識がなくても理解できるようシンプルに解説されている。
イスラム過激派への対処は今や全世界的な問題であり、日本にとっても決して他人事ではない。また、過激派とは別にイスラム教徒自体の数も増え続けているため、今後ビジネスをはじめ実生活の部分で、彼らの文化や信仰を知る必要性は増していくはずだ。
これまで日本になじみがなかったイスラム文化だが、不安定な中東情勢を知るために、テロ関連情報を正しく理解するために、そして彼らと無用な衝突をすることなく共存していくために役に立つ本だ。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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