消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
ミニバンは、息子のサッカーを送り迎えする家庭の象徴であり、教育熱心な家庭の象徴だった。
だが、そんな「サッカーママ」と呼ばれる教育熱心な家庭は、次第に悪い印象を持たれるようになる。
ミニバンに乗る親とは、生き生きとした自分を捨て、親として生きることを決意した人々の象徴であると捉えられるようになったのだ。先ほどの言葉を使えば、ミニバンは悪い社会的なシグナルと捉えられていたということだ。
そんな中、ミニバンに対抗して台頭してきたのが、SUVだった。親になってもアクティブでアウトドアを楽しむ、時には一人でふらりとドライブに出かける、SUVは、そんなアグレッシブな親のシグナルとして捉えられるようになったのである。
結果、SUVは「クールでないミニバン」に対抗する「クールなSUV」と捉えられ、1990年代前半のアメリカで人気が爆発した。
SUVの人気はミニバンとの比較によって生み出されたのである。
■「逆張り」がかっこよさを変える現代
本書が解説するのは、ある商品のヒットの背景には、それまであった別の商品に対して「ダサい」と思う人々がいるということ、そのダサさに対するカウンターとして新たな商品が人気を集めるという消費者の意識変化だ。
その例はすぐに挙げられる。
Windowsに対するマック。大人が使うFacebookに対する、若者が使うInstagram。
このように、人々が消費を「逆張り」していくことで、社会におけるかっこよさ(=クール)が変容していく。本書では、そんな一風変わった消費の背景を読み解くことができる。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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