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「たらい回しにされる」スシロー、ファンドの金儲け、内紛や乗っ取りでずっと経営混乱の異常さ

文=編集部
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「たらい回しにされる」スシロー、ファンドの金儲け、内紛や乗っ取りでずっと経営混乱の異常さの画像1スシローの店舗(「Wikipedia」より/Hanasakijijii)

 回転寿司チェーンのあきんどスシローが株式市場に戻ってくる。

 ロイターが4月22日、「英プライベート・エクイティファンドのペルミラが、あきんどスシローのIPO(新規上場)の準備を開始し、引き受け会社(幹事証券会社)の選定に入った」と報じた。

 プライベート・エクイティファンドとは、投資家から集めた資金を元に株式の過半数を取得することによって経営に参画。その後、会社を健全な状態に建て直し、IPOによって利益を得ることを目的にしたファンドのことである。

 ペルミラは2012年9月に、スシローを国内再生ファンドのユニゾン・キャピタルから10億ドル(当時の為替レートで約786億円)で買収した。

「当時の企業価値は約800億円だったが、現在は企業規模の拡大とともに約1500億円に上昇しているという。12年当時、スシローの店舗数は335だったが、現在は400を超える」(ロイター記事より)

 スシローは上場企業でないため、財務諸表の開示はない。ホームページによると、15年9月期の売上高は1350億円で、12年9月期の1113億円から21%増加している。

 機は熟したといえ、ペルミラはIPOによって投資した資金の回収に乗り出したのである。

乗っ取り撃退のために上場廃止

 スシローは内紛、乗っ取り、転売の歴史だった。清水義雄氏と清水豊氏の兄弟が1975年に大阪市阿倍野区でカウンターだけの立ち食い寿司屋「鯛すし」を創業したのがルーツである。

 スシローの前身となる株式会社すし太郎は84年の設立。事業は順調で2000年に商号を株式会社あきんどスシローに変更。03年9月に東京証券取引所第2部に上場した。

 その後、清水兄弟の間で喧嘩が勃発。07年3月、牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーが突然、発行済み株式の27.2%を保有する筆頭株主として登場した。ゼンショーが取得した株式は、実は弟の豊氏とその家族が保有していたものだった。

 それから5カ月後、兄の義雄氏は敵対的買収を撃退するホワイトナイト(白馬の騎士)を見つけた。投資ファンドのユニゾン・キャピタルである。ユニゾンが編み出したゼンショー撃退作戦はMBO(経営陣による自社買収)によるスシロー株式の非公開化だった。

 08年9月、ユニゾン・キャピタル・グループの2つのファンドが出資して設立したエースホールディングス(HD)が、スシロー株式の公開買い付け(TOB)を実施。TOB価格は1株当たり3250円。エースHDはスシローの発行済み株式の64.08%を取得した。09年4月、東証2部を上場廃止となり、株式は非公開となった。

BusinessJournal編集部

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