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■戦いは「コミュニケーション」が成否を分ける
日本軍大敗の要因はさまざまにあった。兵力や火力の不足、補給線や情報網の脆弱さ、戦略デザインの不徹底――。そのなかで特に際立つのが、組織における「コミュニケーション」だろう。
たとえば、インドのインパールの戦いでは、大本営と戦線現地での間に、作戦の認識に大きな食い違いがある。その原因は、現地の一将校の無謀とも言える作戦立案を、同じく現地の人間が諌めることができなかったこと。「作戦変更の進言をしても無駄」という空気が蔓延したことなどが挙げられる。
現代に置き換えれば、本社の意向を曲解した現場責任者が、自分の考えを押し通して無理な戦略で行動に出て、ビジネスが破綻してしまうようなものだ。
トップがきちんと方針を伝え、現場はそれを齟齬なく受け取る――。
これは組織戦略の成否を分ける生命線だ。そこに食い違いがあると、上と下、またはチーム間で感情的な軋轢が生まれる。
組織は個々の人間の集まりだ。感情によって判断を誤ったり、戦略上必要な連携がとれなくなったりすることもある。そんなとき、いかに適切なコミュニケーションが取れるかは、何よりも大切だ。
どれだけ戦略に必要なリソースが足りていても、それを扱い、動かすのは人間である。時代が変わっても、人間の失敗の本質は変わらない。本書からは、現代でも通用する普遍的な「本質」を学べるだろう。
(新刊JP編集部/大村佑介)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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