自律神経と健康との関係は、今では広く知られるようになっています。
ただ、不規則な生活や睡眠不足、ストレスなどによって、自律神経のバランスはいつのまにか乱れてしまっていることが多いもの。その結果、体に変調をきたしてはじめて本人がその乱れに気がつくということになりがちです。
■自律神経の乱れは「唾液」にあらわれる
『自律神経は1分で整う! ──人生が変わるお口の健康と自律神経の話』(今野清志著、自由国民社刊)によると、自律神経のバランスがきちんと取れているかのバロメーターは、口の中の唾液の量。唾液の分泌をコントロールしているのは自律神経である以上、きちんとはたらいていないと唾液が少なくなり、口の中が常に乾いたりねばついたりする「ドライマウス」になりやすいといいます。
唾液には食べた物の消化を助け、ウイルスの体内への侵入を防ぎ、口内を清潔に保つなどの役割があり、健康と直結します。だから、ドライマウスは単に口だけの問題ではなく、免疫力や体全体の健康にかかわる問題。もちろん口臭や歯周病の原因にもなります。どうすれば予防したり、改善したりすることができるのでしょうか。
■その場でできる 唾液の分泌を促進するエクササイズ
原因が自律神経の乱れである以上、ドライマウスの改善には生活習慣の見直しが必須。ただエクササイズでも、唾液が分泌されやすくする状態を作ることは可能なのだとか。本書では、そのための様々なエクササイズを紹介しています。
・耳下腺マッサージ…両手の、親指以外の4本の指をほほ骨の下あたりにあて、上の奥歯あたりをぐるぐると円を描くように10回マッサージする。
・顎下腺マッサージ…両手の親指の先を下顎の骨の内側にあて、耳の下から顎の先まで優しくプッシュする。
・舌下腺マッサージ…両手の親指の先を使い、顎の下から軽く上にプッシュする。
これらを試してみると、どれも口の中で唾液の分泌が促されるのがわかるはず。ドライマウスに悩まされてきた人も、習慣的に続けていけば症状の改善につながるかもしれません。
また、本書では、唾液の分泌促進はそもそもドライマウスの原因となっていた自律神経の乱れの改善にもフィードバックされていくとしています。
「なんとなく調子が悪い」「寝つきが悪い」「疲れやすい」といった、ぼんやりとした体調不良に悩まされている人は、本書を参考に唾液の分泌に注意を向けてみると、状態を改善させるきっかけになるのではないでしょうか。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。